先手三間飛車に四間飛車で対抗したいあなたへ

本エントリーでは、先手の角道オープン型三間飛車、いわゆる早石田に対し、四間飛車で対抗する手段について、検証してみたいと思います。早石田に手を焼いてお困りの方の、何かしらの参考にでもなりましたら幸いでございます。

はじめに

先日、早石田に言及した当サイトのエントリーでコメントを頂いたので、早速調査してアップすることにしてみました。コメントを頂いた通りすがり様、ありがとうございます。

実は当サイトには、まだまだだいぶ初心者の頃にアップした、こんなエントリーがございまして。。。
www.chiba-nm4.com

サイトのアクセスログを解析してみると、結構これがヒットしているみたいなのです。右も左も分からないころに書いたネタで、当の本人は最近相振り飛車ツライ(´・ω・)(・ω・`)ネー状態なので、プチ心苦しい面もありました。そこに飛び込んできたのが、このネタです。汚名 挽回 返上ではないですが、久しぶりに相振り四間ネタやってみたいと、思います。

思えば、今まで見てきた相振り飛車の本は、藤井先生の「相振り飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋21)」シリーズにしても、門倉先生の「角交換四間飛車 最新ガイド (マイナビ将棋BOOKS)」にしても、三間飛車は後手のことが多く、不幸にして先手三間飛車に対して有効そうな書籍に巡り合わなかったんですよね。

そこに飛び込んできた今回のこの情報。何回か指してみた感じ、まぁまぁいけそうな予感もあり、ちょっと期待できるかも?な、内容なので、ご紹介させていただきたいと、思います。

書籍情報

まずは書籍ですが、こちらです。

定跡次の一手 魅惑の角交換相振り飛車(将棋世界2018年8月号付録)

定跡次の一手 魅惑の角交換相振り飛車(将棋世界2018年8月号付録)

将棋世界の付録であり、スマホがあればKindleなどで単独入手が、可能です。価格は122円と、かなりお得ですね。著者は西田拓也四段ですが、「西川流」の西田和宏六段とは、別の人です。

タイトルの通り、次の一手形式となっており、全39問というコンパクトな内容になっています。122円の付録なので、そこまでのボリュームでは、ないですね。三間飛車側が先手ではありますが、後手の角交換四間飛車の立場にたって書かれているため、先後逆表記になっています。内容は全部で4パートに分かれており、

  1. 三間飛車が美濃囲いから▽3六歩と突いてくる ― 第一手~第九手まで
  2. 三間飛車が美濃囲いから▽3六歩を保留し、向かい飛車に組み替えてくる ― 第十手~第十二手まで
  3. 三間飛車が▽6二金型金無双から▽3五歩を保留し、向かい飛車に組み替えてくる ― 第十三手~第二十四手まで
  4. 三間飛車が▽6一金型金無双から▽3五歩を保留し、向かい飛車に組み替えてくる ― 第二十五手~第三十九手まで

と、vs金無双のパートが全体の三分の二を占めています。▽3六歩突いてくる→▽3六歩保留する→金無双にする→金無双で▽6二金を保留にする順番で、手強くなっていっているようです。私くらいの級位者同士の対戦だと、No.1の戦型が多く、あまり金無双っていいイメージ持たれていないイメージあるのですが、プロの感覚では逆ということでしょうか。確かに有段者と当たると、自信もって金無双にしてくるイメージも、無きにしもあらずです。

とはいえやっぱり、私のような級位者レベルで三間飛車というと、まずは▽3六歩からの攻め足の速さに苦戦しているという方も、多いのではないでしょうか?

というわけで、本エントリーではまずのNo.1の、とにかく▽3六歩からゲシゲシこられた場合の対応について、ご紹介していきたいと思います。

基本の駒組

【第1図/以降も先後逆表記】
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽3五歩

まずは先手▽3五歩と、早石田調できたら・・・

【第2図】
第1図からの指し手:▲6八飛

飛車を振ります。

【第3図】
第2図からの指し手:▽3二飛

対して、三間飛車に構えてきたら・・・

【第4図】
第3図からの指し手:▲2二角成▽同銀▲2八銀

角交換して、▲2八銀と上がります。この▲2八銀が、一つのポイントです。多分。つい▲6五角と打ちたくなってしまいそうですが、それは色々角を合わせたり反撃する手筋があるので、時期尚早みたいです。

【第5図】
第4図からの指し手:▽5八金左

で、▲6五角の筋を消しつつ美濃囲い or 金無双にいける▽5八金左までは、まぁまぁこうなる妥当な線ではないかと思います。

注目ポイント:▽2二の銀は動かし辛い

左銀は大抵攻めに使うものなので、三間飛車側としては左銀を活用したいところではありますが、すぐに動かすことが出来ないといいう駒組の制限を、既に抱えています。というのも・・・

【A図】
第5図からの指し手:▲8八銀▽3三銀▲5六角

下手に動かすとこのように、両取りを食らってしまうからです。ということで、ここから先の三間飛車は、

  1. 美濃囲い or 金無双に行きつつ▽8三の歩に紐をつけて、▽3二の銀を動かせるようにする。
  2. ▽3六歩からとにかく攻める。

の二択になるかと思いますが、▽3六歩に対する対処は後でやるので、ここでは三間飛車側には一旦、美濃囲いに行かせてみます。他方、角交換四間飛車側は、居玉のままで向かい飛車に組み替えて玉頭を狙います。右辺はまだちょっと危ないので、玉の移動は保留する意図もあります。

美濃囲いvs向かい飛車

【第6図】
第5図からの指し手:▲8八銀▽6二玉▲7七銀▽7二玉

というわけで、まずは飛車を振るために、▲7七銀にあがります。

【第7図】
第6図からの指し手:▲8八飛▽8二玉▲8六歩▽7二銀▲8五歩

三間飛車側は美濃囲いが、角交換四間飛車側は向かい飛車への組み替えが、整いました。三間飛車側は陣形に不安がなくなったので、満を持して▽3六歩と攻めてくるものとしてみます。

ちなみに、ここまでの展開でどこかで先に▽3六歩を突かれたとしても、以降の手筋は使えると思います・・・多分。

とにかく3筋をゲシゲシ攻められる

三間飛車側はここから、とにかく力の限り▽3六歩からの突破を狙わせてみます。居玉なので、突破すればこちらのもの・・・というわけですね。他方、角交換四間飛車側は、▲6六銀~▲7五銀に進出しつつ、5六 or 6六の筋違いに角を打って、玉頭に直撃させてやろうという狙いです。居玉vs美濃囲いのはずが・・・実は居玉の方が、飛車の直撃を避けていたり、します。

【第8図】
第7図からの指し手:▽3六歩▲3八金

▽3六歩に対しては、歩交換に応じずに、▲3八金で対処します。一歩手持ちにしつつ、手順で飛車を走られない(浮き飛車に構えられない)のがメリットですが・・・

【第9図】
第8図からの指し手:▽3七歩成▲同銀

3六の地点に拠点を作られるのが、デメリットです。

【第10図】
第9図からの指し手:▽3六歩▲4六銀▽4四歩

最後の▽4四歩は、▽4五歩▲同銀と銀を釣り上げて、3七の地点の利きを減らす作戦ですが、それはそれで隙が生じているので、あえてその作戦に乗っかります。

【第11図】
第10図からの指し手:▲6六銀▽4五歩▲同銀

しれっと6六に銀を進出させました。

【第12図】
第11図からの指し手:▽3七角

三間飛車側はここから、拠点を使ってゲシゲシ攻めます。王手になっていますが、▲同桂とか▲同金とか取ると、歩成から飛成が待ったなしっぽいですよね。

【第13図】
第12図からの指し手:▲3七同桂▽同歩成

でも、構わず▲同桂します。これまで私は、こうなるのが嫌で、色んな本で紹介されているとは知りつつも、飛車先の歩交換を甘んじて受け入れてきましたが・・・切り返しがありました

玉頭をゲシゲシ攻め返す

【第14図】
第13図からの指し手:▲6五角

8三の玉頭を睨みつつの、飛車取りです。飛車を横に逃げるのはと金を払われてナンセンスですし、3一や3三に逃げても歩を当てられるだけ。3六は銀がそもそも当たっているので、飛車を逃げるなら3五しかありません。▽5四歩や桂、▽4三桂などで角筋を遮断する手もありますが、それでも8筋攻めは止まらないので・・・

【第15図】
第14図からの指し手:▽3五飛

飛車を浮いとくのが、書籍でも、将棋ソフトの解析でも、最善手みたいです。そこでいよいよ・・・

【第16図】
第15図からの指し手:▲8六歩▽同歩▲8四歩

満を持しての、玉頭攻めです。一見、同銀で受かりそうですが・・・

【結果図】
第16図からの指し手:▽8四同銀▲同角成▽同玉▲4六銀

角を切って▲4六銀と打てば、3筋は収まりそうで、8筋は▲7五銀から攻めが継続できそうです。ちなみに、将棋ソフトの評価は、この時点で+1000くらいで角交換四間飛車側が有利です。どのあたりから有利になり出したかというと・・・▽3六歩突かれたあたりからで、この時点ではまだわずかな有利くらいですが、▲3七同銀に▽3六歩で追撃しだしたあたりから、差が広がっていっている感じです。

将棋ソフトの解析結果からみると、▽3六歩は遅るるに足らずといったところでしょうか。

おまけ:飛車を切って勝負に出てきたら?

個人的に、さすがに結果図からは一旦飛車を逃げるんじゃないかと思いますし、将棋ソフトの推奨手でもそうなっています。しかし、例えば3一飛に逃げたりすると(推奨手はこれなのですが・・・)、▲3二歩~▲6五角の王手飛車なんかも、気になるところです。というわけで、書籍では以下のように、三間飛車側が飛車を切って勝負に出てきた際の切り返しが、紹介されています。

【A図】
結果図からの指し手:▽4五飛▲同銀▽3八と

こちらは持ち駒が少ないので、もたもたしていると玉に逃げられて危険ですが、決め手があります。

【B図】
A図からの指し手:▲8四飛▽同玉▲8二飛

飛車を切り返して、上から飛車を打ちます。▽7四玉には▲7四歩から、▽9四玉には▲8五角から、▽8三合駒には▲7五銀から、いずれも詰みます。

おわりに

いかがだったでしょうか。先手三間飛車で美濃囲いからの▽3六歩。級位者同士だとよくやってくる人がいそうですが、まとめるとポイントは、以下になります。

  • 角交換の後、▲2八銀から入り、お相手が美濃囲いに囲んでいる間に、▲7七銀~▲8八飛の向かい飛車を決めて、飛車先をずんずん伸ばす。
  • ▽3六歩からは、歩交換に応じない。▲3八金から、▽3七歩成には▲同銀で対処。
  • お相手の左銀の動きに注視し、隙があれば角を打ち込んで角成を狙う。
  • 最終的に、玉頭と飛車の両にらみで▲6五角や▲5六角などの筋違い角を打ち込み、飛車角銀で玉頭を集中砲火。

というわけで、本エントリーの内容はここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。早石田に苦しむ方の、何かしらの参考にでもなれば幸いでございます。

参考書籍

定跡次の一手 魅惑の角交換相振り飛車(将棋世界2018年8月号付録)

定跡次の一手 魅惑の角交換相振り飛車(将棋世界2018年8月号付録)

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続・大前提!3三角型角交換四間飛車vs2四歩

本エントリーでは、前回のエントリーに引き続き、▽3三角交換四間飛車に対して、▲3三角成▽同桂▲2四歩▽同歩されたときの展開について、検証してみたいと思います。

果たして、2四歩には、対処出来るのでしょうか?

はじめに

前回のエントリーでは、▲3三角成▽同桂▲2四歩▽同歩された後、▲同飛と突っ込んでくる展開について、検討してみました。やっぱりこう、居飛車を持っていると、飛車先行けそうなときはつい、行ってしまいたくなりますよね。あからさまに罠的な気配とはいえ。しかし、そこで将棋ソフトが出した最善手は、▲2三角(後手表記で、▽8七角)。本エントリーでは、ここからの角交換四間飛車側の最善手について、将棋ソフトで解析していってみたいと、思います。なんとか受けが見つかればいいですが、どうなりますでしょうか・・・

【第1図 本エントリーのテーマ図/先後逆表記】

将棋ソフトが出した最善の受けは?

それではさっそく、第1図に対して将棋ソフトが出した最善手はというと・・・

【第2図】
第1図からの指し手:▲8五角

▲8五角

です。なるほどぉ!居飛車側には手持ちの歩が無いので、確かにこれだと、角成も出来ませんし、飛車の突っ込みもブロック出来てますね。飛車には飛車を、角には角をというわけですか(違)。これなら▲8八飛と飛車を回して角を狙うことも出来そうですし、▲6五桂なんかも見えます。対して、居飛車側の最善手はというと・・・

【第3図】
第2図からの指し手:▽同飛

ここは同飛の一手みたいですね。三回ほど将棋山脈で解析を繰り返してみましたが、これ以外の候補手が出てきません。王より飛車を可愛がる初心者将棋では思い浮かび辛いですが、ここはさもありなんといったところでしょうか。対して、▲同桂だと、7七に角を撃ち込まれそうなので・・・

【第4図】
第3図からの指し手:▲同歩▽7六角成

▲同歩▽角成で致し方なしでしょうか。飛車をゲット出来てやや駒得ですが、馬を作られているので、何とも言えません。この時点で、将棋ソフトの評価は+200前後くらいで居飛車側有利。飛車を振った瞬間からほぼ横ばいな評価点が、維持されています。さすが、最善手。

攻めか守りか

なんとなく第4図までは解析を見ていても一直線な感じがしましたが、ここが一つの岐路な気がします。即ち、桂馬(及び飛車)を守るか、飛車を打ち込んで攻めるか。守るとしたら、金で守るか、銀で守るか。こういう時は一旦、まずは切り合いから考えてみたいと、思います。ちなみにですが、どれを選んでも、将棋ソフトの評価はそんなに変わりません、現時点で。

【第5図】
第4図からの指し手:▲8四飛▽7七馬

居飛車側には飛成を受ける適当な手は無さそうには見えますが、桂馬を守るという意味では、▲9二角なんかも考えられます。桂を守りつつ▽4三角成も見ているので、悪くない感じがします。▽7一金なんかも、飛車が成れても微妙な感じになってしまう展開ですが*1、そのときは▲3四飛といって▲3六飛から歩の下に帰ってくる手を見ているようです。がしかし、ここでは一旦、▽7七馬と攻め合ってみることに、してみます。

【第6図】
第5図からの指し手:▲8一飛成

さすがにここで切り合って6一・6二の金銀を素抜かれるのはだいぶ痛そうなので、ここは将棋ソフトの候補手も受け一択です。問題は△7一金と受けつつ龍に当てに行くか、5一に右金を寄せるか左金を寄せるか、5二に右金を上げてみるかですが・・・なんとなく最後の一手がやや評価低そうで、前三手はほぼ評価値が変わらない感じがします。となると、玉の周りが寂しくなるのは、いかがなものかと思いますが・・・やや、評価値が高そうな気がした、▽7一金で、龍をはじきにいってみます。これは将来的に、8五の歩が突っ込んでくるのを防ぐことも、見越しているとみました。

【第7図】
第6図からの指し手:▽7一金▲9一龍

少なくとも互角には戦えそう

第5図のところで切り合いを選んでみましたが、第7図まで来ると、今度は逆に局面が一旦落ち着きそうな気配を、感じます。居飛車的には▲6八馬▽同銀と行って飛車を取ったとしても、攻めの起点を清算した上に美濃囲いに囲われてはきつそうなので、この馬は出来ればキープしたい・・・ような、気がします。1一から9九のラインも空いているので、角を手放すのは、なんか怖い感じもありますよね。

【第8図】
第7図からの指し手:▽5一金▲8四歩▽8二歩

というわけで、ここでは龍の可動域を、狭めてみます。

【結果図】
第8図からの指し手:▲9三龍▽9一馬▲3八銀

片美濃囲いに行くことが、出来ました。この時点で、将棋ソフトの評価値はほぼ0近辺。前回のように綺麗にカウンターが決まるというところまでは行きませんでしたが、お互いに切り合ってみた結果これならば、▲2四歩からの▲2三角(後手表記で、▽8六歩からの▽8七角)も、対処は出来そうといえるのでは、ないでしょうか。

まだまだある!2四歩からの厄介な手筋

参考書籍である「角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)」にて著者の小森棋士曰く、「▲2四歩の変化は掘り下げると奥が深い。急所とも言える変化なのでしっかり押さえて欲しい。」とのことですが・・・一例として、私が実戦で食らって、「なるほどそうきたか・・・」と思ったのが、こちら。

【参考図】

筋違い角です。いわゆる筋違い角とは少し毛色が違いますが、これはこれで面倒くさいものがありそうなので、そのうち掘り下げてみたいと思います。

おわりに

いかがだったでしょうか。本エントリーにより、個人的には、2四歩に対してなんとかなりそうな感も、増してきました。何かしらの参考にでもなりますれば、幸いです。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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参考書籍

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)


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*1: 二歩になってしまうので、飛車先に歩を打てない・・・

将棋ウォーズ1級昇格!その突破口とは?

将棋ウォーズで2級に昇格してから、はや1年以上が過ぎました。初段や1級の分厚い壁に阻まれ、多少達成率が上がっても油断すれば一気に20%台まで押し戻される毎日。もうこのまま一生2級かしらと思っていましたが・・・この二日間でポポンと1級に昇格してしまいました。得てして、昇格するときは、こんなものなのかもしれません。

果たして一体、何が1級昇格の決め手だったのでしょうか?同じく1級を目指す方の、何かしらの参考にでもなれば、幸いです。

はじめに

思えば、去年の年末に将棋ウォーズ2級の壁に関するエントリーをアップしてから考えても、はや9か月以上がたちました。中飛車に挑戦していた時期に一瞬だけですが達成率が94%までいったので、あわよくばという思いもなくはなかったのですが、この度めでたく

1級に昇格

しました。とあるサイト調べによると、将棋ウォーズで最も平均的な段級位は2級だそうなので、ようやく私も中の上くらいに仲間入りです。多分。将棋を始めてから2年、将棋ブログを始めてから1年半、将棋ウォーズを始めてから1年くらいたちますし、さすがにそろそろ初心者とは名乗れなさそうです。さしずめ、下手の横好きとでもいうべきでしょうか。

・・・それはさておき、せっかくなので、何かしらの参考に・・・なるかどうかは、分かりませんが、2級に昇格してから今までの取り組みを、振り返ってみようと思います。

攻め足遅い問題

この辺でもちらっと書いていますが、最初の取り組みは、これです。

ノーマル四間飛車(角道クローズ型四間飛車)のメリットは、序盤安定して駒組出来ることでした。実際、安定した駒組と、無理攻めを控えた慎重な指し回しにより、2級までは来ることが出来ました

しかし、序盤安定しすぎると、中盤以降局面が硬直しすぎるきらいがあることも、学びました。なんとか局面を打開しても玉までが遠く、攻め足の差で負けることもしばしば。危険を恐れず一歩踏み込まないと、安全に指し回すだけでは勝利を得られないのではないかという気がしたのが、角道オープン型の将棋に取り組むことにした、きっかけです。

相振り飛車難しすぎ問題

二番目は、これです。いろんな将棋の本に、「初心者は戦法を絞った方がよい」と書いてあるので、当初は将棋ウォーズ初段くらいまでは、ノーマル四間飛車一本でいけないものかと、思っていました。しかし、相振り飛車が難しすぎました。さっきの「攻め足遅い問題」、相振り飛車の方がより顕著な、気がするのです。一旦四間飛車に振って美濃囲いに組み、向かい飛車に組みなおして、端攻めを狙う。端攻めが決まれば、それなりに勝負になりますが、大抵お相手の攻めの方が、先に決まります。これが、「現代将棋的なスピード」というやつかも、しれません。

そこでやってみたのが・・・いわゆる、将棋の幅を広げるというやつでしょうか。棒銀、中飛車、右四間飛車、居飛車穴熊などなどをやってみまして、「得意戦法一本に絞る」から、「複数戦法の組み合わせ」に挑戦しました。

具体的には、角交換四間飛車をメインに、お相手がUFO銀で来たときは、ノーマル四間飛車にします。ここでいうUFO銀とは、こんな感じのやつです。

【UFO銀】

この後、▽6五銀とこられたら角頭を守るすべがないので、▲6六歩とします。こっちが角道を閉じたのを見計らって△3四歩と角道を開けたり、▽6四歩~▽6三銀~▽5四銀と組み替えて、しれっと右四間飛車を狙ってきたりするので、こしゃくなこと甚だしいですが、致し方ありません。

もう一つ、角道クローズ型の四間飛車で駒組するのが、中飛車です。角道クローズ型の三間飛車もやってみましたが、なんちゃって石田流で挑むよりは、四間飛車の方がしっくり来たので、ここのところは四間飛車で指しています。囲いは、色々やってみましたが、今は金無双が中心です。穴熊だと、中央が弱くなった瞬間に攻められたり、美濃囲いだと、玉が移動する瞬間に5筋の防御が弱くなったりするので、今のところは金2枚で上部に備えています。

で、相手が早々に角道クローズしてきたときは、右四間飛車にします。早々に角道を閉じる人は、大体が四間飛車か三間飛車の人ですが、たまに居飛車矢倉で来る人もいます。矢倉で来た時に、こっちがどんな囲いにするかは、悩みどころなのですが・・・今のところ、こんな感じの、カニ囲いもどきの囲いに、しています。左美濃にしてもいいんですけど、いまいち上部が心もとないんですよね。

【矢倉vs右四間飛車】

最後に、角道オープン型の三間飛車、いわゆる早石田で来た時が、一番悩みどころなんですが・・・とある振り飛車党のための早石田対策というサイトの内容を参考に、今のところ、角交換四間飛車にしています。

余談ですが、そのサイトによると、門倉5段の「角交換四間飛車 最新ガイド (マイナビ将棋BOOKS)」を参考にしているそうですが・・・

そんな内容載っていない

気がするんですよね、私もこの本持っていますけど。でも、実戦で何度かやってみて、今のところ悪くなさそうな感じがするので、参考にさせていただいています。引用間違いでしょうか、それとも私が見落としているだけでしょうか。

・・・話がそれましたが、私が複数戦法採用して、1級に昇格したということは・・・「得意戦法を一つに絞った方がいい初心者の卒業時」が、2級と言えるのかも、しれません。その結果、オールラウンダーになるかもしれませんし、改めて得意戦法に戻ってくるかも、しれません。私の場合、今のところ部分的に右四間飛車使っていますが、どちらかといえば後者寄りです。こうして改めて書き出してみると、ほぼ四間飛車ですし。

角交換振り飛車勝率悪い問題

将棋ウォーズでは、戦法ごとに級位や勝率が出るのは、ご承知の通りかと思います。私の戦法一覧では、今のところ一番勝率がいいのは右四間飛車急戦で、勝率7割弱、戦法別級位1級を達成しています。右四間飛車って狙いが見え見えだのなんだの言われますが、こうしてみるとなんだかんだで角道クローザー相手にはかなり優秀な戦法だと改めて思いました。私が苦手なのも、無理はない

一方、メイン戦法にしている割に、意外と勝率や級位が悪いのが、角交換振り飛車です。将棋ウォーズの場合、角道オープンのまま四間飛車に行って、自分から角交換に行ったときに、「角交換振り飛車」というエフェクトが、出ます。

他方、角道オープンした瞬間に相手から角交換され、その後四間飛車に振ったときは、「レグスぺ」というエフェクトが出ます。本来、レグスぺってそういう意味ではない*1と思うのですが、それはさておき。

レグスぺの方はそうでもないのですが、角交換振り飛車の方は、勝率も5割切ることがあったり、戦法別級位も2.0級切らないことがあったりと、自分から角交換に行くと、思いのほかよくないのです。1手損が響くほどの偉そうな身分でもないと思うのですが・・・

これを受けて挑戦してみたのが、3三角型角交換四間飛車に、なります。最近の対戦を見るになんとなく成果は出始めている気はするのですが、それはまた別の機会に、アップします。

対戦相手の強さ問題

続いての問題が、これです。2級に昇格したときは、対戦相手の強さを「かなり弱め」に設定して、昇格しました。しかし、この手が通じるのは、どうやら2級までです。2級でかなり弱めに設定すると、勝っても雀の涙程度しか、達成率が上がりません。他方、負けると、がっつり下がります。かなり弱めだと、本アカウントではもっと強いのに、28級とかのサブアカウント作りたての人とかともバンバン当たるため、そういう人に負けると、目も当てられないくらい下がります。勝率7割をキープしたとしても、達成率が30%以上はなかなか上がりません。

それでやってみたのが、対戦相手の強さを上げてみるです。最初はかなり弱めから少し弱め、慣れてきたら「おまかせ」まで上げてみました。色々と経験や実験を積み重ねた結果、少し弱めやおまかせでも、そこそこやれるように、なっていたのです。

体感的に、おまかせと少し弱めはそこまで大差ない気がしますが、勝った時の達成率上昇具合は、おまかせの方が高いっぽい気がします。かなり弱めだと、3級や4級の人ともそこそこあたりますが、少し弱め以上だと、1級から2級中心で、3級は負けがこんできたときに当たりだすイメージです。勝率は5割7分くらいまで落ちましたが・・・毎日ギリギリ勝ち越す程度でも、それなりに達成率が上がります。

かなり弱めの時は、30%以上に上がることはまれでしたが、おまかせや少し弱めだと、調子が良ければ60%台まで上がることも、しばしばになりました。そこで浮上した、新たな問題が・・・

初段に勝てないといけない問題

これです。2級も達成率が60%を上回るあたりから、有段者と当たる確率が大きくなる気がします。1級になるには、1級と互角の力が必要なのは、まぁ分かりますが・・・初段に勝てないと、1級になれないというのは、なんだか理不尽な気も、します。

がしかし、実際そうなのです。1級相手に3回に2回~2回に1回、初段相手に2回に1回~3回に1回くらいの勝率で勝てないと、昇給しないのです。例えば今日の私の対戦ですと、全体の3割5分くらいが初段、4割7分くらいが1級との対戦で、合わせると、8割2分くらいが初段や1級との対戦です。

多すぎると思いませんか?

仮に20回対戦したとしたら、7回が初段なのです。こう書くと、ほぼ半分が初段との対戦な気に、なってきます。いつもはここでがががっと連敗し、達成率が2,30%台に押し戻されていました。しかし、今日・昨日とたまたま連続して、お相手の方のうっかりなどにも助けられ、初段相手に5割、1級相手に6割3分と勝ち越し、めでたく昇格することと相成りました。つまり・・・

というか、めぐりあわせみたいなものも、重要なのです。多分。

詰将棋はやっていない・・・

去年の中頃くらいは、対戦で成果が出せないならせめて詰将棋で成果を出そうと、9手詰めくらいまで挑戦していました。しかし、あまり体調がよくなく集中力が出ない時期があり、ちょっとやめていました。簡単な詰将棋なら今でも7手詰めくらい解けそうな気がしますが、今はやっていません。

思い起こせば、将棋ウォーズで9手読んでる時間って、そうそうないですよね・・・でもなんとなく、玉形と、金銀桂の数で、詰みそうか詰まなさそうかは、分かります。あとで将棋ソフトで解析してみると、「即詰みあったやん・・・」と詰みの見逃しに愕然とすることもまだまだあるので、終盤力はもちろん大事な気がしますが、長手詰めが解けるのと直結するかというと、どうなんだろう?

とりあえず、1級昇格に関しては、詰将棋よりも、戦法の見直しの方が、効果があったようです。

おわりに

というわけで、本エントリーの内容は、ここまでとなります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。ちなみにの話、1級に昇格したので、次にやってみようかなと思っているのが・・・対戦相手の強さを「少し強め」にしてみるのと、

筋違い角

です。特に後手番の場合、同型戦法は避けたいなぁという思いもあり、相手に角交換四間飛車やられた場合どうしようかなと思っているのですが、筋違い角の存在を思い出しました。筋違い角をやられると、「いわゆる」角交換四間飛車の定跡には持ち込めず、筋違い角ワールドに引き込まれる感じが、しませんか?相手に主導権を握られている感じがして、私はとても苦手です。

そんな筋違い角対策を研究する傍ら、自分でもちょっとやってみようかな、なんて思っていたり、します。中飛車を自分でやってみたときのように、何か得られるものがあるかも、しれません。

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*1: 角交換四間飛車穴熊ですよね?

大前提!3三角型角交換四間飛車vs2四歩

本エントリーでは、最強にして新常識らしい、▽3三角型角交換四間飛車(▲7七角型角交換四間飛車)における大前提・「早々に角交換から▲2六歩と攻撃された場合、どう受けるか?」について、検討してみたいと思います。

挑戦!角交換四間飛車の新たなる常識とは? というエントリーに対するサブエントリーの、第一回目になります。

はじめに

前回のエントリーでは、「角交換四間飛車でじっくり行っても、実はいいことないんじゃ?」という仮説の元、「▽3三角型角交換四間飛車(先手表記で、▲7七角型角交換四間飛)ならば、あくまでも積極的に、攻め手を作れるのか?」という検証テーマを、設定してみました。

以下がその、基本図となります。

【第1図 ▽3三角型角交換四間飛車の基本図】(以降、先後逆表記)
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽8四歩▲6八飛▽6二銀▲4八玉▽4二玉▲3八玉▽3二玉▲2八玉▽8五歩▲7七角

本エントリーではまず、攻め手を検証する前の大前提として、ここから▽7七角成▲同桂▽8六歩▲同歩▽同飛(先手表記で、▲3三角成▽同桂▲2六歩▽同歩▲同飛されたときに、ちゃんと受けることが出来るのか?を、検証してみたいと思います。

【第2図 本エントリーのテーマ図】
第1図からの指し手:▽7七角成▲同桂▽8六歩▲同歩▽同飛

受けの一手は?

もしかしたら、大方の予想通りかもしれませんが・・・

【第3図】
第2図からの指し手:▲8八飛

やっぱり、飛車ぶつけです。対して、飛車交換は振り飛車側の望むところなので・・・

【第4図】
第3図からの指し手:▽8七歩▲8一飛

当然、飛車交換は拒否されます。しかし、居飛車側はこのままだと、▲7八金から歩を払われますし、飛車を引けば(桂馬の紐付きの)▲8五歩からやっぱり歩を払われますし、横歩取りなんかした日には飛車を走られるだけなので・・・

【第5図】
第4図からの指し手:▽8八角

角で蓋をします。ここまでは概ね、一直線ではないかと思います。

反撃の狼煙は上がるのか?

【第6図】
第5図からの指し手:▲6六角▽2二銀▲7八金

ここはお相手の玉形によって、多少指し手が分かれるところかもしれませんが、本譜では一旦▲6六角を入れています。例えば、既に▽3三銀に上がっているなどで、▲6八角から角成が無い場合などは、直接▲7八金と行った方が、良いのかもしれません。それに対して・・・

【第7図】
第6図からの指し手:▽7九角成▲同金

ここは、これしかないかと、思います。▲8八銀打たれたら受けが無いやん!と思われた方・・・ご安心ください、履いて受けがあります。

【参考A図】
第7図からの指し手:▽8八銀▲6五桂

ここから▽8九銀成すると、▲7七角打が決まります。飛車を逃げれば▲2二角成が馬を作りつつ玉当たりの銀取りになりますし、角成を防げば飛車が取れます。よってここでは・・・

【第8図】
第7図からの指し手:▽8八歩成

歩の成り捨てが、最善手となるみたいです。一見タダ同然に見えて、▲同飛と取れば▽8七銀から抑え込まれそうですし、▲同金と取れば、▽7八銀が見えているので、確かにいい手です。しかし、ここは構わず・・・

【第9図】
第8図からの指し手:▲同金▽7八銀

▲同金します。一見、飛車が死んでしまったようですが・・・

【第10図】
第9図からの指し手:▲7五角打

▲7五角打からが、いよいよ反撃の開始となります。何かこう、見えてきたものがありませんか?

決まったかに見えるカウンター

【第11図】
第10図からの指し手:▽8九銀成▲8六角

8五は桂馬が当たっていますし、8四は角が当たっています。そして、8二や8三に逃げても歩で頭を叩かれるだけなので、ここは必然的に飛車の取り合いになります。

【第12図】
第11図からの指し手:▽8八成銀▲6五桂

この「▲6五桂」のことを、「天使の跳躍」という人もいるんだとか、以前に取り上げた井出隼人四段の書籍「四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)」に書いてありました。確かに、▲5三桂不成で金両取りの▽同銀すれば▲同角成で、なかなか爽快な跳躍です。

【第13図】
第12図からの指し手:▽8九飛▲3八金▽9九成銀

対して、▽8九飛で紐の付いていない4九の金を狙いつつ、▽9九成銀から駒を補充しつつの角狙いが、居飛車側の粘りですが・・・

【第14図】
第13図からの指し手:▲5三桂不成

構わず桂馬を跳ねます。対して、▽8六飛成と角を取りにいけば、▲4一桂成で寄り筋。▽同玉すれば▲2二角成と突っ込まれる上に、飛車を一旦引くと攻め足が遅くなりそうなので・・・

【結果図】
第14図からの指し手:▽5三同銀▲同角成

本譜では、▽同銀▲同角成が、結果図となります。「角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)」曰く、駒の効率と玉の堅さから角交換四間飛車優勢だとか。

では本当に角成同桂は問題ないのか?

確かに、結果図における将棋ソフトの評価値は、大体600~800くらいで、角交換四間飛車側が高評価です。勝勢とまでは行きませんが、角交換四間飛車側が優勢といっても、差支えは無いでしょう。

では、ずっと角交換四間飛車側が高評価だったかというと、そうではありません。将棋ソフトは基本的に振り飛車の評価が低いので、最序盤はずっと居飛車側がやや高評価なのですが、それがどこで評価が逆転したかというと・・・

▽同飛した瞬間

です。つまり、▽7七角成▲同桂自体は、なんなら▽2四歩▲同歩までは、居飛車側がやや評価が高いのです。一見▽同飛が自然なように見えて、では将棋ソフトがそこで導き出す最善手はというと・・・

▽8七角

なのです!

【参考図】

確かにこれは飛車を回しても角成されそうですし、単純に▽同飛されるよりは、なんか厄介そうな気配を感じます。将棋ソフトの評価値は、居飛車側の+100くらい。角交換四間飛車側が飛車を振った瞬間(居飛車側の+200くらい)からすると若干評価が落ちていますが、それでもプラス評価を保っていることが、▽同飛よりは手強そうなことを、物語っています。

本エントリーは、先の結果図で「メデタシメデタシ」で終わる予定だったのですが・・・将棋ソフトで解析したら、思わぬものを発見してしまいました。単に私が無知だっただけなのかも、しれませんが。

おわりに

ということで、本エントリーの内容は一旦ここまでにして、次回は急遽予定を変更し、「▽8七角相手にはどう指せばいいのか?」を、将棋ソフトを使って解析していってみたいと、思います。単純に本に載っていることを紹介するだけよりは実がありそうな展開になったので、結果オーライと考えます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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参考書籍

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

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挑戦!角交換四間飛車の新たなる常識とは?

本エントリーでは、最強にして新常識らしい、▽3三角型角交換四間飛車(▲7七角型角交換四間飛車)について、検討してみたいと思います。

あなたは、せっかく角交換四間飛車に行ったのに逆棒銀を封じられ、地味で攻め筋の無い展開にがっかりしたことは、ありませんか?本エントリーでは、▽3三角型角交換四間飛車が、そんなあなたの希望の星になるのか?について、検証してみたいと、思います。

参考書籍は、以下になります。

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

はじめに

唐突ですが、今週は夏休みを取って、北海道の道東方面に旅行に行ってきました。知床のクマー、釧路のタンチョウ、そこら辺の道路のシカやキツネなどを堪能し、海鮮やジビエ料理などを味わってきました。知床半島クルーズが思った以上に寒くて死にかけたのも、今となってははやいい思い出です。

・・・そんなブログを更新しなかった言い訳はさておいて、本題です。前回、6三銀型に対して、銀冠vs穴熊に組み上がってしまう前に、逆棒銀に行く手があるんじゃないかという仮説を得たわけですが・・・

角交換四間飛車の問題は、それだけではない

ことに、気づきました。薄々感じてはいましたが、vs▽7四歩型も、結構勝率が悪いのです。7四歩型というと、例えばこんなやつですね。

【A図 7四歩型その1】

あるいはこんな感じで、6三銀+7四歩の複合型の場合なんかも、私の実戦では見かけます。

【B図 7四歩型その2】

7四歩型に対しては、▲6六銀~▲7五歩で一歩稼ぎ、その後は銀の位置を組み替えつつじっくり行くというのが、藤井式角交換四間飛車の基本的な方針ですが・・・

問題はここです

このワンポイント稼いだら、後はじっくり持久戦というのが、どうも私には向いていないみたいです。何の構想もなくじっくり行っても銀冠vs穴熊一直線ですし、こんな感じで油断すると作戦負けすることもしばしばです。

【C図 じっくり高美濃に行ってついうっかり・・・】

あるいは、▽4四角を受け損ねて、飛車や銀を殺されることもしばしばです。なんとなくこう、角交換四間飛車って、片美濃囲いがベストで、片美濃囲い→美濃囲い→高美濃囲い→銀冠と発展するに従って、角の打ち込みであったり、4七の金を争点にされたりで、あまりいいことない気がしてきました。つまり、じっくり行っても、あまりいいことないのです。個人的に。

そして、▽7四歩は、▲8二飛を見てからでも、十分に間に合います。つまり、大抵はじっくり行くことになり、大抵はあまりいいことない結果に、終わってしまう可能性が、あります。

というわけで、これは何か対策をしなければ・・・というのが、本エントリーの趣旨となります。

思い起こせば、以前挑戦してみた中飛車で参考にした書籍(ごきげん中飛車を指しこなす本 (最強将棋塾)相振り中飛車で攻めつぶす本 (最強将棋21))では、こんな感じのフレーズがありました。

「既にポイントを上げているので、〇〇〇からじっくり行っても一局の将棋ではありますが、あくまでも積極的に攻めてみたいと思います。」

これです

今私に必要なのは、この方針です。本エントリーでは、そんな夢のような角交換四間飛車の実在可能性について、検証してみたいと思います。

角交換四間飛車の新常識 最強▽3三角型

そんなわけで、そんな夢のような方針を求めて、今回検証してみたいのが、以下の書籍になります。以降、「本書」と言います。

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

まず、新常識に対して、これまでの常識がなんだったかというと・・・

【D図 先後逆表記】
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽8四歩▲6八飛▽6二銀▲4八玉▽4二玉▲2二角成

これです。▽3二玉に行かれる前に角交換して、▲7七銀に構えるのが、これまでの角交換四間飛車でした。▲2二角成を▽同銀と取らせることにより、穴熊に囲うのに手損を強いる狙いが、あります。本書では、「藤井式角交換四間飛車」と言われており、これはこれで有力な作戦には変わらないとしつつも、

  • この後▲7七銀~▲8二飛とすると、2手損になる。
  • 飛車先の歩を保留して逆襲に備えるなど、対策も進んでいる。

などの課題が、挙げられています。対して、本書で挙げられている新常識はというと・・・

【第1図 先後逆表記】
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽8四歩▲6八飛▽6二銀▲4八玉▽4二玉▲3八玉▽3二玉▲2八玉▽8五歩▲7七角

これです。▽4二玉には目もくれず、角道オープンしっぱなしで、▽8五歩を▲7七角(後手表記で、▽3三角)で受けます。

▽同角成▲同桂▽8六歩と攻め込まれたらどないすんねん!?

と、思わず突っ込みたくなるような、確かにこれまでの常識からみればぶっ飛んだ出だしです。が、もちろんそう来られても、用意の受けがあります。

続きが気になりませんか?

角交換四間飛車の新常識の気になりどころ

実のところ、続きは何回かのサブエントリーに分けてアップする予定ですが(すみません)、本エントリーの締めとして、ぱっと読んでみた感じの見どころというか気になりどころを、頭出してみたいと思います。

飛車先不突のパートがない

プロローグのところで、「(藤井式四間飛車は)飛車先を不突して逆襲に備えるなど、対策が進んでいる」としつつも、その飛車先不突対策と思えるパートがない。第1図の出だしを見れば、突きたくなるっちゃあ突きたくなる気も分からんでもないが・・・

基本的に相手から角交換を挑んでくる

自分から角交換を挑んだり、相手が角交換を拒否したりするパートがあるのは、居飛車側が▽5四歩~▽5三銀型の章のみ。個人的に肝心かなめだと思われる▽6三銀型の章は基本、相手から角交換してくることに、なっている。

「角交換に▽5四歩は突くな」っぽい格言があるし、「角交換四間飛車にはとりあえず▽6三銀に構えとけ」的な風潮も感じるので、▽6三銀型から角交換を保留されたり拒否されたりするパートが無いのは、いかがなものだろう・・・?

残念ながら待機策で終わるパートがある

基本的には、期待通り、可能な限り「これはこれで一局の将棋」で終わるのを避けるような構成になっている印象がありましたが、少なくとも一か所、待機策で終わっている風に見受けられる箇所がありました。しかも、▽6三銀型のパートです。

またお前か

徹底検証やって残念な結果にならないか、今から心配です。

サブエントリー一覧

というわけで、以降の続きは、何回かのサブエントリーに分けてアップしてきたいと、思います。まず初めに、さっきの続き。「▽同角成▲同桂▽8六歩されたときに、どうなるか?」について、次回エントリーでアップしていきたいと、思います。

続いて気になるのは、角交換拒否されたときなんじゃないかなと、思います。意外と当サイトでも、こんなエントリーがアクセス数多かったり、Google検索で思いのほか上位にヒットしたりなんかも、します。残念ながら、居飛車側が▽5三銀型なのが不満ではありますが・・・私の実戦でも一回、このパートの通りの展開になったので、それなりに使い勝手はあるんじゃないかと、思います。

上記二つが前提パートとすると、三つ目がメインパート。▽6三銀型居飛車(先手表記で、▲4七銀)に対して、3三角型角交換四間飛車はどのように戦うのか?について、検討していきたいと思います。もしかしたら、サブサブエントリーに分かれるかも、しれません。

最後は、vs自陣角。意外なことに(?)、角交換した後に自陣に角を打ち直すのが、角交換四間飛車側が今一番手を焼いている、居飛車側の対策なんだそうです。個人的に▽6三銀型の方が気になるところではありますが、そういわれると調査しないわけにもいきません。

以下、執筆予定のタイトル一覧です。

-- 続・大前提!3三角型角交換四間飛車vs2四歩

  • やっぱり気になる?3三角型角交換四間飛車vs角交換拒否
  • 強敵!3三角型角交換四間飛車vs4七銀
  • 意外?3三角型角交換四間飛車vs自陣角
  • ありえる?3三角型角交換四間飛車vs5七銀

最後の一個、あんまり角交換四間飛車に対して▽5三銀(先手表記で、▲5七銀)に構えられるイメージは、ないのですが・・・せっかくなので、余力があれば、取り上げてみたいと思います。

おわりに

というわけで、本エントリーは終わりになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。角交換四間飛車の新常識、あくまでも攻めに行くことは、果たして出来るのか?次回以降、将棋ソフトの解析結果も交えながら、アップしていきたいと思います。

参考書籍

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

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真・徹底検証!角交換四間飛車vs6三銀型居飛車

本エントリーでは、角交換四間飛車において、居飛車側に6三銀型に組まれたときに、果たしてどうすべきなのか?について、前回に引き続き、検証していきたいと思います。

テーマはずばり、「6三銀型に対して、本当に逆棒銀は通用しないのか?」についてです。

はじめに

前回のエントリーでは、藤井先生の「角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)」に沿って、以下のように6三銀型居飛車に対してがっぷりよっつに組み合った場合、角交換四間飛車に何か芽はあるのか?について、将棋ソフトの解析を中心に、検討してみました。

結果、残念ながら厳しそうだということが分かりました。本エントリーでは、ここまで組み上がる前に、果たして何か手はあったのかについて、検討してみたいと思います。

何故6三銀型に逆棒銀は通用しないのか

というわけでまず、「角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)」にて、6三銀型に逆棒銀が通用しない理由について、おさらいしてみたいと思います。
【A図】
美濃囲いvs6三銀型居飛車

A図から、逆棒銀に行ったとします。
【B図】
A図からの指し手:▲8六歩▽同歩▲同銀▽7四銀

▽7四銀が用意の受けで、これに対して▲7五歩と追い払おうとしても、▽同銀と取られるだけです。これに対して▲同銀と取れば飛車を素抜かれますし、強引に▲8五銀と進んでも▽4四角とかが辛そうです。で、

【C図】
B図からの指し手:▲8五歩

▲8五歩と抑えて、▲7五歩▽6三銀▲7七銀と逆襲する作戦ですが、

【D図】
C図からの指し手:▽8七歩▲同飛▽7八角▲8八飛▽6九角成

「角攻撃」されると、この後の飛車いじめがたまりません。というか、飛車が助かるイメージが湧きません。が、しかし。ここでふと、思いました。

美濃囲いに行ったのが、いけなかったんじゃ?

と。6九金型の片美濃囲いのままで逆棒銀に行けば、この「角攻撃」は食らわないんじゃ、と。

検証テーマ

確かに、6九金型から逆棒銀に行けば、さきほどの手筋は防げそうです。じゃあ、逆棒銀は通用するのかというと・・・実はもう一つ、C図からの反撃の筋があります。

【E図】
C図からの指し手:△5四角

▲7七銀と引くわけにもいきませんし、▲7五歩と銀を追い払おうとすると、▽8六歩と飛車の頭を叩かれます。この筋は、単純に6九金型に構えただけでは、防げなさそうです。

果たして、6九金型に▽5四角に対する受けはあるのか?が、本エントリーのテーマとなります。

2019/9/21追記 というわけで逆棒銀に行ってみよう

【テーマ図 ▲6九金型角交換四間飛車vs▽6三銀型居飛車】

というわけで、本エントリーの基本図です。ここからの推奨手は、将棋山脈(やねうら王+elmo)でも逆棒銀になっているので、元気に逆棒銀行ってみます。

【第1図】
テーマ図からの指し手:▲8六歩▽同歩▲同銀▽7四銀

対して、▽7四銀が、居飛車側の用意の受けでした。ここで、▲8五歩と抑えて銀引きを狙うのかと思いきや、将棋山脈の出した推奨手は・・・

【第2図】
第1図からの指し手:▲7八金

▲7八金

だそうです。なるほどぉ。これなら、▽5四角に対しても、▲7七銀と引いて、飛車交換を迫る手も成り立ちそうですね。まぁ▽8五銀と出てくるでしょうが、▲9六歩~▲9七桂を狙ったり、▲5六角から飛車の頭を狙ったりするのが、返しみたいです。

別の手として、▽8七歩と飛車の頭を叩かれて、▲同飛とかやっちゃった日には、▽6九角がえらいことになりそうですが、そこは▲同金と取る手が、ありそうです。

また、▽8五歩▲7七銀と引かされた場合は、▲6六歩で飛車のコビンをケアしつつ、▲8三歩が狙い目みたいです。▽同飛すれば▲7二角から馬を作れますし、▽同銀すれば▲8五歩と歩は取れます。で、▽8四銀とかくれば、また▲8三歩とか打てそうですね。

ここまでのところ、評価値はほぼ互角のまま動いておらず、逆棒銀に行って決定的に角交換四間飛車側の評価が悪くなる筋は、今のところなさそうです。

おわりに

というわけで、結論としては、逆棒銀は成り立ちそうな気配を、感じます。決定的によくなるわけではありませんが、銀冠vs穴熊まで組み上がってしまうよりは、ましな気配を感じました。というわけで、少し実践してみて、結果をまたアップしてみたいと思います。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

参考書籍

角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)

角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)

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続・徹底検証!角交換四間飛車銀冠vs6三銀型居飛車穴熊

本エントリーでは、前回に引き続き、角交換四間飛車銀冠vs6三銀型居飛車穴熊を検証してみたいと、思います。

結論から言うと、残念ながら、この戦型はとっても厳しいような気がしてきました。

が、しかし。ここまで来るまでに一つ、気づいたことがありまして・・・それがもしかしたら、この戦型の希望になるかも?なんて、気がしてきました。

はじめに:そもそもの狙い

まずは、テーマ図を再掲します。
【テーマ図】

前回、ここから▽4四歩を本筋に解析していこうと思いましたが、▲9六歩~▽9四歩の端歩の突き合いが延々と候補手として上がるのがうっとおしいので、以下のように端歩を突き合った状態から、今回は考えてみたいと思います。

【第1図】
テーマ図からの指し手:▽9四歩▲9六歩▽4四歩

角交換四間飛車側の狙いは、居飛車側が▽5四銀と、腰掛け銀に構えてくれることです。なのでここでは一旦、▲6六銀に素直に▽5四銀と出てきてくれるものと、してみます。

【A図】
第1図からの指し手:▲6六銀▽5四銀▲5五歩

相手が穴熊でなければ、▲5五銀とぶつけるところですが、穴熊相手だとぶつかり合いは穴熊(堅い方)が有利だと思うので、ここは▲5五歩といきます。ここで▽4三銀と相手が引けば、

【B図】
A図からの指し手:▽4三銀▲5六角

▲5六角が有力手となります。以降、7四の歩を守るために、後手が飛車を浮くと・・・

【C図】
B図からの指し手:▽8四飛▲7五歩▽同歩▲同銀

こうなれば、好調です。また、A図の▲5五歩に対して、▽6五歩と攻め合ってくれば・・・
【D図】
A図からの指し手:▽6五歩▲5四歩▽6六歩▲同歩

そんなに悪くありません。お相手の飛車のコビン*1が開いていますし、▲5八飛や▲7一角なんかも、手になりそうな気がしないでもないです。

が、しかし

居飛車側が▽5四銀と、腰掛け銀に構えてくれることは、ずっと前からの狙いなのです。本来であれば、高美濃囲いvs平矢倉のときに、出てきてくれるのが、ベストでした。それをせず、保留して、銀冠vs穴熊まで組みあがってしまったので・・・今更腰掛け銀に出てきてくれることを期待するのも、望み薄です。

一方、居飛車側には、▽3一金~▽3二金寄と組み替えたりとか、▽2四歩から銀冠穴熊を狙ってみたりとか、▽7三桂と跳ねてみたりとか、まだまだ駒組に発展性があります。他方、角交換四間飛車側は、駒組が飽和状態です。

なので、徹底的に▽5四銀を手待ちされると・・・?

それでも▲6六銀と出てみよう

【第2図】
第1図からの指し手:▲6六銀

地味に気になる手

将棋ソフトからの候補手には出てきませんでしたが、ここで地味に気になるのが、▽4九角です。6七の歩を守る適当な手が、▲5七金くらいしかありません。

【E図】
第2図からの指し手:▽4九角▲5七金▽3八角成▲同銀

とするとこうなって、駒得はしているものの、玉形が急に寂しくなった感があり、穴熊に対してなんだか心もとないことこの上ないです。一応、将棋ソフトの評価値では、+400ポイントと角交換四間飛車側有利になっていますが・・・個人的には、いやーな感じです。

桂馬の跳ね合いになると・・・?

実際のところ、第2図から、▽5四銀以外の候補手は、▽7三桂か、金を動かして穴熊を強化するあたりです。ここではまず、▽7三桂行ってみたいと思います。
【第3図】
第2図からの指し手:▽7三桂

対して、▲7七桂と、対抗して跳ねたとしましょう。
【F図】
第3図からの指し手:▲7七桂

こうなると、気になるのは、以下の展開です。
【G図】
F図からの指し手:▽6五歩▲同桂▽同桂▲同銀▽7七角

歩越し銀には歩で対抗という、格言通りの指し回しですね。飛車を逃げる一手ですが、▽7三桂から銀を殺されてしまいますし、角成も止められません。この後、▽8六歩▲同歩から▽8八銀とされると、だいぶたまりませんね。一応、将棋ソフトは評価値-18ポイントでほぼ互角と評していますが、とてもじゃないけど、そうは思えません。

ただ、先の▲同銀のところ、実は、
【H図】
F図からの指し手:▽6五歩▲同桂▽同桂▲5六角

こんな手も、あります。▲7三角だと、▽7七角▲同銀▽同桂なんて強襲する手も気になるところですが、▲5六角はそれを防ぎつつ、飛車取りもかけています。ここからの将棋ソフトの推奨展開は、▽6二飛▲7三角成▽6一飛▲8三馬▽8一飛▲7三馬▽6一飛からの千日手だそうですが、

【H図】
F図からの指し手:▽6四角

こう合わせられる方が、むしろ気になります。ここから、▲6五銀といくと、▽5五角▲同歩▽7七角でG図とほぼ同じになりますし、▲同角▽同銀▲6三角打で一見馬を作れそうな気になりますが、▽7三銀と引かれると、角を殺されてしまいそうです。

【I図】
H図からの指し手:▲同角▽同銀▲6三角▽7三銀

桂跳ねを保留してみると・・・?

というわけで、▽7三桂に対して、▲7七桂せずに、例えば▲5五歩とか突いてみたとします。
【第4図】
第3図からの指し手:▲5五歩

ここから▽6五桂とか跳ねると▲7三角と打たれますし、▽5四歩▲同歩▽同銀とかいくと、桂頭のガードがなくなって▽7五歩と攻め込まれます。がしかし、一旦▽8一飛と引いて▲7三角の飛車当たりを避けたうえで▽6五桂とか跳ねる手が、ありそうです。

【第5図】
第4図からの指し手:▽8一飛▲2五歩▽6五桂

ここで▽4九角を食らうと今度こそ辛そうなので、桂馬交換を挑んでみます。

【第6図】
第5図からの指し手:▲7七桂▽同桂▲同銀

ここでもう一度▽6五桂とくれば▲6八銀と引いておく手もありそうですが、

【第7図】
第6図からの指し手:▽4三桂

こんな手も、あります。一見、▲2六桂と打つと、次の▲3四桂が両取りで嬉しそうですが、普通に▽3三銀で受けられそうです。また、▲6六銀と出ても、▽6五歩とこられれば、やっぱり▽5五桂を食らってしまいそうなので、▲6八銀で6七に紐を付けにいこうとすると・・・

【第8図】
第7図からの指し手:▲6八銀▽5八角▲8九飛

▽5八角なんて手が、あります。それに対して、角成を防ごうと、▲8九飛なんていっちゃうと・・・

【結果図】
第8図からの指し手:▽4七角成▲同金▽7八金

角切りからの▽7八金が、なかなかの痛手です。当然、▲8九飛に行かなければ行かないで、馬を作られます。というわけで、

テーマ図から▲6六銀に行くと、角交換四間飛車側には明確な攻め筋は無いが、居飛車側には▽7三桂からの攻め筋がありそう

な、気がしてきました。

それでは▲6六銀以外の手はあるのか?

それがまた残念なことに、手は無さそうでした。有効手は上の方でも出てきていた▲5五歩や▲2五歩くらいで、その後の候補手は▲4八金~▲3八金を行ったり来たりとか、▲6八飛~▲8八飛を行ったり来たりするばかり。一方、居飛車側は▽7三桂からの攻め筋や、穴熊を強化したり銀冠穴熊に行ったりする手があるのは、前述のとおりです。

・・・本当にそうなんだろうか?

ここまでの展開に突っ込みを入れて、角交換四間飛車側の攻め筋を見つけられる猛者の方、是非突っ込みをお願いいたします。

まとめ

というわけで、薄々気づいていましたが、ここまで組み上がってしまうと、私程度ではやっぱりなんともしようがない気がしてきました。なら、ここまで組み上がるまでに、何か手はなかったのかというと・・・?当初のテーマからは外れてしまいますが、次回はそこについて、検証してみたいと思います。テーマはズバリ、

6三銀型に対して、本当に逆棒銀は、通用しなかったのか?

です。というわけで、本エントリーの内容は、ここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

参考書籍

角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)

角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)

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*1: 久しぶりですが、コビンは斜めですね。