挑戦!角交換四間飛車の新たなる常識とは?

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本エントリーでは、最強にして新常識らしい、▽3三角型角交換四間飛車(▲7七角型角交換四間飛車)について、検討してみたいと思います。

あなたは、せっかく角交換四間飛車に行ったのに逆棒銀を封じられ、地味で攻め筋の無い展開にがっかりしたことは、ありませんか?本エントリーでは、▽3三角型角交換四間飛車が、そんなあなたの希望の星になるのか?について、検証してみたいと、思います。

参考書籍は、以下になります。

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

はじめに

唐突ですが、今週は夏休みを取って、北海道の道東方面に旅行に行ってきました。知床のクマー、釧路のタンチョウ、そこら辺の道路のシカやキツネなどを堪能し、海鮮やジビエ料理などを味わってきました。知床半島クルーズが思った以上に寒くて死にかけたのも、今となってははやいい思い出です。

・・・そんなブログを更新しなかった言い訳はさておいて、本題です。前回、6三銀型に対して、銀冠vs穴熊に組み上がってしまう前に、逆棒銀に行く手があるんじゃないかという仮説を得たわけですが・・・

角交換四間飛車の問題は、それだけではない

ことに、気づきました。薄々感じてはいましたが、vs▽7四歩型も、結構勝率が悪いのです。7四歩型というと、例えばこんなやつですね。

【A図 7四歩型その1】

あるいはこんな感じで、6三銀+7四歩の複合型の場合なんかも、私の実戦では見かけます。

【B図 7四歩型その2】

7四歩型に対しては、▲6六銀~▲7五歩で一歩稼ぎ、その後は銀の位置を組み替えつつじっくり行くというのが、藤井式角交換四間飛車の基本的な方針ですが・・・

問題はここです

このワンポイント稼いだら、後はじっくり持久戦というのが、どうも私には向いていないみたいです。何の構想もなくじっくり行っても銀冠vs穴熊一直線ですし、こんな感じで油断すると作戦負けすることもしばしばです。

【C図 じっくり高美濃に行ってついうっかり・・・】

あるいは、▽4四角を受け損ねて、飛車や銀を殺されることもしばしばです。なんとなくこう、角交換四間飛車って、片美濃囲いがベストで、片美濃囲い→美濃囲い→高美濃囲い→銀冠と発展するに従って、角の打ち込みであったり、4七の金を争点にされたりで、あまりいいことない気がしてきました。つまり、じっくり行っても、あまりいいことないのです。個人的に。

そして、▽7四歩は、▲8二飛を見てからでも、十分に間に合います。つまり、大抵はじっくり行くことになり、大抵はあまりいいことない結果に、終わってしまう可能性が、あります。

というわけで、これは何か対策をしなければ・・・というのが、本エントリーの趣旨となります。

思い起こせば、以前挑戦してみた中飛車で参考にした書籍(ごきげん中飛車を指しこなす本 (最強将棋塾)相振り中飛車で攻めつぶす本 (最強将棋21))では、こんな感じのフレーズがありました。

「既にポイントを上げているので、〇〇〇からじっくり行っても一局の将棋ではありますが、あくまでも積極的に攻めてみたいと思います。」

これです

今私に必要なのは、この方針です。本エントリーでは、そんな夢のような角交換四間飛車の実在可能性について、検証してみたいと思います。

角交換四間飛車の新常識 最強▽3三角型

そんなわけで、そんな夢のような方針を求めて、今回検証してみたいのが、以下の書籍になります。以降、「本書」と言います。

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

まず、新常識に対して、これまでの常識がなんだったかというと・・・

【D図 先後逆表記】
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽8四歩▲6八飛▽6二銀▲4八玉▽4二玉▲2二角成

これです。▽3二玉に行かれる前に角交換して、▲7七銀に構えるのが、これまでの角交換四間飛車でした。▲2二角成を▽同銀と取らせることにより、穴熊に囲うのに手損を強いる狙いが、あります。本書では、「藤井式角交換四間飛車」と言われており、これはこれで有力な作戦には変わらないとしつつも、

  • この後▲7七銀~▲8二飛とすると、2手損になる。
  • 飛車先の歩を保留して逆襲に備えるなど、対策も進んでいる。

などの課題が、挙げられています。対して、本書で挙げられている新常識はというと・・・

【第1図 先後逆表記】
初手からの指し手:▽3四歩▲7六歩▽8四歩▲6八飛▽6二銀▲4八玉▽4二玉▲3八玉▽3二玉▲2八玉▽8五歩▲7七角

これです。▽4二玉には目もくれず、角道オープンしっぱなしで、▽8五歩を▲7七角(後手表記で、▽3三角)で受けます。

▽同角成▲同桂▽8六歩と攻め込まれたらどないすんねん!?

と、思わず突っ込みたくなるような、確かにこれまでの常識からみればぶっ飛んだ出だしです。が、もちろんそう来られても、用意の受けがあります。

続きが気になりませんか?

角交換四間飛車の新常識の気になりどころ

実のところ、続きは何回かのサブエントリーに分けてアップする予定ですが(すみません)、本エントリーの締めとして、ぱっと読んでみた感じの見どころというか気になりどころを、頭出してみたいと思います。

飛車先不突のパートがない

プロローグのところで、「(藤井式四間飛車は)飛車先を不突して逆襲に備えるなど、対策が進んでいる」としつつも、その飛車先不突対策と思えるパートがない。第1図の出だしを見れば、突きたくなるっちゃあ突きたくなる気も分からんでもないが・・・

基本的に相手から角交換を挑んでくる

自分から角交換を挑んだり、相手が角交換を拒否したりするパートがあるのは、居飛車側が▽5四歩~▽5三銀型の章のみ。個人的に肝心かなめだと思われる▽6三銀型の章は基本、相手から角交換してくることに、なっている。

「角交換に▽5四歩は突くな」っぽい格言があるし、「角交換四間飛車にはとりあえず▽6三銀に構えとけ」的な風潮も感じるので、▽6三銀型から角交換を保留されたり拒否されたりするパートが無いのは、いかがなものだろう・・・?

残念ながら待機策で終わるパートがある

基本的には、期待通り、可能な限り「これはこれで一局の将棋」で終わるのを避けるような構成になっている印象がありましたが、少なくとも一か所、待機策で終わっている風に見受けられる箇所がありました。しかも、▽6三銀型のパートです。

またお前か

徹底検証やって残念な結果にならないか、今から心配です。

サブエントリー一覧

というわけで、以降の続きは、何回かのサブエントリーに分けてアップしてきたいと、思います。まず初めに、さっきの続き。「▽同角成▲同桂▽8六歩されたときに、どうなるか?」について、次回エントリーでアップしていきたいと、思います。

続いて気になるのは、角交換拒否されたときなんじゃないかなと、思います。意外と当サイトでも、こんなエントリーがアクセス数多かったり、Google検索で思いのほか上位にヒットしたりなんかも、します。残念ながら、居飛車側が▽5三銀型なのが不満ではありますが・・・私の実戦でも一回、このパートの通りの展開になったので、それなりに使い勝手はあるんじゃないかと、思います。

上記二つが前提パートとすると、三つ目がメインパート。▽6三銀型居飛車(先手表記で、▲4七銀)に対して、3三角型角交換四間飛車はどのように戦うのか?について、検討していきたいと思います。もしかしたら、サブサブエントリーに分かれるかも、しれません。

最後は、vs自陣角。意外なことに(?)、角交換した後に自陣に角を打ち直すのが、角交換四間飛車側が今一番手を焼いている、居飛車側の対策なんだそうです。個人的に▽6三銀型の方が気になるところではありますが、そういわれると調査しないわけにもいきません。

以下、執筆予定のタイトル一覧です。

-- 続・大前提!3三角型角交換四間飛車vs2四歩

  • やっぱり気になる?3三角型角交換四間飛車vs角交換拒否
  • 強敵!3三角型角交換四間飛車vs4七銀
  • 意外?3三角型角交換四間飛車vs自陣角
  • ありえる?3三角型角交換四間飛車vs5七銀

最後の一個、あんまり角交換四間飛車に対して▽5三銀(先手表記で、▲5七銀)に構えられるイメージは、ないのですが・・・せっかくなので、余力があれば、取り上げてみたいと思います。

おわりに

というわけで、本エントリーは終わりになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。角交換四間飛車の新常識、あくまでも攻めに行くことは、果たして出来るのか?次回以降、将棋ソフトの解析結果も交えながら、アップしていきたいと思います。

参考書籍

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

角交換四間飛車の新常識 最強△3三角型 (マイナビ将棋BOOKS)

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