【実践紹介】四間飛車vs棒銀【本格的】2018/5/19・その2

スポンサーリンク

個人的に勝手にライバル視している棒銀との対戦となった今回の実戦紹介シリーズ、前回は結果図直前までは教科書的な本格展開となりました。

最後の一手は今後の展開にどう影響するのでしょうか・・・?

はじめに

はじめに余談ですが今回のタイトル、本当は「実戦」紹介と書いたつもりだったんですけど、間違って「実践」紹介ってなってることに今気づきました。しかしこれはこれで、本サイトに自分で書いていることを「実践している」という意味では間違っていない気もして来たので、今回はこのまま修正せずに行ってみたいと思います。

さて、前回の結果図ですが、こちらになります。

【第1図は前回の結果図】
http://shogipic.jp/v/LXa.png

定跡的には△3三角ではなく、△7五歩か△7ニ飛あたりがセオリーな気がします。が、お相手の方は△3三角と行かれました。急戦で△3三角と行っても、囲いの発展性はぱっとみなさそうですが・・・

今回のエントリーは、この続きからアップしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

棒銀失敗の図・・・?

【第2図】
第1図からの指し手:▲4七金
http://shogipic.jp/v/LZ2.png

もう少し平美濃で様子を見たかったのですが、もう少し手待ちしたかったので、仕方なく高美濃に上がってみました。しかしよーく今、見直してみたら・・・

▲9八香

の方がベターだったかもしれません。将来の角直撃を避ける▲9八香は、棒銀定跡ではメジャーです。おまけに、左金を左辺の応援に向かわせ、片美濃で守るのも、棒銀定跡ではメジャーなんですよね・・・結論から言うと今回は大事に至りませんでしたが、ちょっと失敗した気がします。

【第3図】
第2図からの指し手:△7五歩▲6八角
http://shogipic.jp/v/LZ3.png

△7五歩に対して▲6八角と引ける体制を整えておくのが、vs棒銀のポイントだと思います。

相手が居玉棒銀のときは、美濃囲いよりも優先して、

  • ▲9六歩と突いて、棒銀の銀の進出を防ぐ
  • ▲6八角と引ける体制を作る

上記2点をやった方が良いのでは、と思います。どっちから先にやるかはなかなか難しいところもあるのですが・・・

【第4図】
第3図からの指し手:△7六歩▲同飛△7五歩▲7八飛
http://shogipic.jp/v/LZ4.png

△7六歩のところ、▲同銀といくと角が突っ込んでくるので、▲同飛の一手です。対して、△7五歩に飛車を引いて、よくある「銀の進出したいところに歩を打っては、棒銀失敗」の図ですが・・・正直、

大抵こうなります。そして、ここからが第2ラウンド

な気がして、到底「OK!棒銀防いだ!」なんて、嬉しい気分にはなりません。私が読んだ定跡書だと大抵、歩がぶつかってもすぐに清算せず、そのまま△7ニ飛と寄ったりとか△6四歩と突いて角道をこじ開けにきたりとか、するんですが・・・もしかして居飛車党が読んでる定跡書だと、

△7五歩と打って飛車を引かせれば棒銀成功

とでも書かれているんでしょうか?気になります。

両取り発動

【第5図】
第4図からの指し手:△7ニ飛▲5七角
http://shogipic.jp/v/LZb.png

これも棒銀の定跡あるある、7筋に飛車が寄ってきたら角をあげて、6六の地点を補強します。▲4六歩を突いていないケースは、▲5七角と上がって受けるか、▲4六角と上がって攻め合うかは難しいところですが・・・

【第6図】
第5図からの指し手:△6四歩▲3七桂
http://shogipic.jp/v/LZc.png

6筋から圧力を加えてきたので、前回からの狙い・▲4五桂の両取りを見せる▲3七桂ハネを決行してみます。

【第7図】
第6図からの指し手:△6五歩▲5五歩
http://shogipic.jp/v/LZd.png

それでも6筋から突っ込んでくるので「大駒は近づけて受けよ」、▲5五歩で角を呼んでみます。

【第8図】
第7図からの指し手:△5五同角▲5六銀△3三角▲6五銀
http://shogipic.jp/v/LZf.png

角道を閉じたままで、角を追い返すことに成功しました。

【第9図】
第8図からの指し手:△6七歩▲5九金
http://shogipic.jp/v/LZh.png

やーなところに歩を裏打ちしてくるので、美濃囲いの右金を左辺の応援に使います。左金ならともかく、右金を囲いから外すのは本来セオリー違反ですが・・・致し方ありません。

【第10図】
第9図からの指し手:△6三金
http://shogipic.jp/v/LZi.png

お相手も船囲いの一部を崩して銀を追い払いにきたところで・・・

【第11図】
第10図からの指し手:▲4五桂
http://shogipic.jp/v/LZl.png

ふんどしの桂

発動です。

大駒を成り込む

【第12図】
第11図からの指し手:△6四銀
http://shogipic.jp/v/LZn.png

何故か銀の方が逃げてきたので・・・

【第13図】
第12図からの指し手:▲6四同銀△同金▲3三角成△同桂
http://shogipic.jp/v/LZp.png

角銀・銀桂の駒得交換が実現しました。おまけに船囲いも崩壊気味で、なんだかお相手の玉周辺は寂しげです。

【第14図】
第13図からの指し手:▲6五銀△6三金▲8三角△7三飛▲6一角成
http://shogipic.jp/v/LZt.png

そして、角を手に入れたら狙ってみたいこの一手・▲8三角からの飛車虐めで、馬を作ることに成功です。ですが・・・

駒が捌ける

【第15図】
第14図からの指し手:△6八銀▲同金△同歩成▲同角△6七金▲7四歩
http://shogipic.jp/v/LZx.png

渡した駒を使って反撃されました。「両取りは受けるな」という格言もありますし、とりあえず苦し紛れに▲7四歩。本当はこういうとき、冷静に大駒交換を拒否られると結構辛いのですが・・・*1

【第16図】
第15図からの指し手:△7八金
http://shogipic.jp/v/LZz.png

応じてくれて、ある意味助かりました。

【結果図】
第16図からの指し手:▲7三歩成△6八金▲6三と金
http://shogipic.jp/v/La1.png

大駒総交換になりましたが、いい位置にと金や馬がいますし、なんだかいけそうな気がします。

おわりに

いかがだったでしょうか。結論から言うと、今回は以下の点に助けられたような気がします。

  • お相手が△3三角と上がり、▲4五桂の両取りを放置してくれたこと。
  • 大駒交換に応じてくれたこと。

おかげでなんとか駒が捌けました。果たしてここから、どうやって寄せていくべきか?次回も、お楽しみに!

*1:拒否って逆に酷い目にあうことなら、結構あります