角交換四間飛車で角交換保留に挑戦したいあなたへ
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あなたは角交換四間飛車で、最高のタイミングで角交換をしたいと思ったことは、ありませんか?そしてそのタイミングを狙うあまり、まだ角交換をしていないのに8筋の歩を伸ばされて、困ったことはありませんでしょうか。
本エントリーでは、そんな角交換保留時の課題・角交換未済△8五歩問題について、対策を整理・ご紹介させていただきたいと思います。
はじめに
一口に角交換四間飛車と言っても、角交換には、以下の4パターンがあるかと思います。
- 自分から角交換をする。
- 相手から角交換をされる。
- お互い角交換を保留する。
- 角交換を拒否される。
本エントリーで扱うのは3番目、「お互い角交換を保留する」になります。とはいっても、角交換四間飛車の狙いは角交換をすることなので、3番目の場合も、最終的には概ね自分から角交換することになります。その最高のタイミングとは、スバリこちら。
相手が玉を囲うために△4ニ玉と動いた瞬間です。
こうすると、相手の左銀が「壁銀」となってしまうため、玉の逃げ道を塞ぐ形になりますし、穴熊などの固い囲いに行こうとしても、銀が邪魔です。「角交換は一手損」なんて言われますが、この形に持っていけると、一手払う価値があると言えます。
本エントリーで扱う「角交換未済△8五歩問題」とはまさにこのとき、「△4ニ玉を待っていたら先に△8五歩を突かれてしまったでござる」が、テーマとなります。
パターン1:単純△8五歩型
「単純△8五歩型」とは、その名の通り、第1図の△4ニ玉の代わりに、単純に△8五歩を突いたものとなります。
ノーマル四間飛車のセオリーだと、大問題の局面ですね。しかし角交換四間飛車の場合は、しれっと玉の囲いを続行して、飛車先の歩交換を誘います。
果たして、飛車先の歩交換を決行してきたところで・・・
こちらも角交換を決行します。
最後の▲7七角による飛角両取りは、一見△8ニ飛と引くと何事もないように見えますが・・・
▲8四歩が、面白い手です。この歩は、一見何の紐も付いていない浮き駒に見えますが、ここで△8四同飛とすると、▲2ニ角成といかれます。なんのために△8ニ飛に戻ったのか、分からなくなって来ます。そこで、△7ニ銀と行って、▲8三歩成を防ぐくらいですが・・・
そこで向かい飛車に回ると、相手の飛車を完全に抑え込むことが出来ます。△7ニ銀のせいで左銀が浮き駒になってしまったので、後手側は3筋をケアする一手ですが、△3三銀なら狙い目です。
【第A図】
第8図からの指し手:△3三銀▲同角成△同桂▲8三銀
いわゆる、ガジガジ攻めで、8筋突破は確実です。こうなってはたまらんので、第8図からは△3三桂が有力かと思われますが・・・
【パターン1の結果図】
第8図からの指し手:△3三桂▲6八銀
この場合、▲6八銀から少しじっくり行く形になります。▲6六歩不突を活かすなら、この先は▲5七歩〜▲5六銀あたりでしょうか。
パターン2:△3ニ金・△8五歩型
パターン1により、単純に△8五歩を突くと、角交換後の左銀が浮き駒になって飛銀両取りになることが分かりました。そこであらかじめ銀に紐を付ける狙いが・・・
こちら。△3ニ金で銀に紐をつけます。これはこれで本末転倒というか既に玉を囲いずらそうで、このまま角交換を決行してもいいんですが・・・
もう一手待って△8五歩を突かれたとします。
【第11図】
第10図からの指し手:▲2ニ角成△同銀▲8八銀
ここで角交換を決行しーの・・・
飛車先の歩を交換されーの・・・
▲7五角で飛取り角成が決まります。
おわりに
いかがだったでしょうか。私が言うのもなんですが、慣れないうちはどうしても、冒頭で述べた一番目、
- 自分から角交換をする。
as soon as possibleで角交換に行きたくなってしまいますが、慣れてくると角交換を保留した駒組みも色々含みがあって面白いですし、挙句角交換拒否されても、それはそれでなんとかなります。
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と言うわけで、本エントリーの内容はここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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