最強急戦!?四間飛車vs謎の鷺宮定跡・基本編の中盤
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本エントリーでは、あの山田定跡を上回る最強急戦(?)・鷺宮定跡について、その基本的な仕掛けと受け方を整理・ご紹介させていただきたいと思います。
「最強急戦!?四間飛車vs謎の鷺宮定跡」というエントリーに対するサブエントリーの、第二回目になります。
はじめに
参考書籍である、
- 作者: 藤井猛
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
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によりますと、一口に「鷺宮定跡の仕掛け」と言ってもいくつかのバリエーションがありまして、私が見たところ、いずれのバリエーションでもお互い最善を尽くした場合、「互角」「形勢不明」「四間飛車良し」「四間飛車指せる」「四間飛車十分」となっているように見受けられます。
つまり、しっかりと受けたにも関わらず、「四間飛車が悪くなる」と結論づけられている変化は、今のところないようです。そんなバリエーションの中でも、本エントリーでは、ぱっとググった感じなんとなくスタンダードな感じがした、
上記A図に至る仕掛けと受け方を、扱いたいと思います。素人目には複雑な結果図に見えるような気がしますが、藤井先生によると、この結果図は「四間飛車十分」だそうです。
角交換まで
ここまでの指し手については、こちらのエントリーをご確認ください。
こちらのエントリーでも軽くご紹介しましたが、
- 飛車を先に7筋に振り、
- 7筋の歩を突き捨てた後に、
- 左銀を進出させる
のが、鷺宮定跡の基本的な仕掛けになります。
それに対して▲6五歩と反撃するのも、メインエントリーでご紹介させていただいた通りです。
角交換してから、銀が進出してきます。思わず▲7六歩と打ちたくなるところですが*1、そうすると△8六歩からどう転んでも成駒を作られてしまうので・・・
桂馬を跳ねてと金の種を払います。
諸説ある?結果図
5段目の銀+6段目の歩、いわゆる「位」を取られてしまいました。このまま△7七歩成とされるときついので、飛車を寄ります。
7筋に振った飛車を8筋に出戻らせるのもなんか微妙な感じがしますが、浮き駒になってる桂馬を狙いに行くのが定跡になっています。それに対して四間飛車側も、飛車に突っ込んでこられてはたまらんので、▲8六歩と桂馬に紐をつけに行きます。
おそらくですが、第7図でつけた桂馬の紐(歩)を払いつつ、馬を作りに行く作戦です。
実はこの結果図は諸説ある?ような気がしまして、最初にインターネットで検索した鷺宮定跡の解説サイトだと、▲6八角〜▲4六角と、角にぶつけてから飛車にぶつけに行く手順になっていましたが、
「四間飛車の急所〈2〉急戦大全(上) (最強将棋21)」だと、このように、先に飛車にぶつけてから(▲4六角)、角にぶつけにいく(▲6八角)手順になっていました。藤井先生によると、これがベスト手順で、四間飛車十分とのことです。
おわりに
いかがだったでしょうか。メインエントリーの冒頭にて、「先手だともう一手、四間飛車側が指さなければならないのが悩みどころ」と紹介させていただきましたが、その理由が最後の「▲4六角」です。
普通だとつい途中で「▲4六歩」と打って待っちゃいそうですが、そうすると最後の▲4六角が打てなくなります。かといって▲9六歩と打っても△9四歩と返されて終わりそうですし、それに対して▲9七香って行っても、相手にも△9三香と待たれそうです。▲4六角からの香直撃を避けようと思えば、そうなっちゃいますよね。
じゃあ▲3六歩はどうかというと、▲4六歩を突かずに▲3六歩を突けば、玉のコビン(斜め上)が開いて王手がかかるのが嫌なところです・・・どうでしょう、先手の場合逆に悩ましくありませんか?
というわけで、本エントリーの内容はここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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参考書籍一覧
- 作者: 藤井猛
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 単行本
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*1:実際、初めて鷺宮定跡を喰らったときは、どうしていいか分からずに打っちゃいました。