勝てる!穴熊vs天帝直伝四間飛車【実戦紹介】・駒組み編
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あなたは四間飛車で穴熊と戦うことが苦手ですが?私個人的には、穴熊はそこまで嫌いではありません。vs右四間飛車と違って、仕掛ける態勢自体は築けるからです。が、勝てるかというと話は別です。よく負けます。
しかしこの度、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」の教えに従い、穴熊相手になかなかいい将棋が指せましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
同じく穴熊に苦戦する方の、何かしらの参考にでもなりましたら、幸いでございます。
はじめに
本エントリーは、「序盤は飛車より角?またまた、ご冗談を(仮)」に引続く、私の実戦紹介・第2弾になります。
冒頭にもあります通り、あの四間飛車の天敵・居飛車穴熊を相手に、藤井先生直伝6六銀型四間飛車で快勝することが出来ましたので、参考までにご紹介させていただければと思います。
対局した場所は例によって例のごとく将棋オンラインで、お相手の方は5級と、私よりちょっぴり格上の方でした*1。
下側の先手表記が四間飛車の私で、上側の後手表記が穴熊のお相手になります。3回くらいのエントリーに分けて投稿する予定で、初回となる今回は基本的な駒組みまで。次回は、仕掛けてから敵陣を突破するあたりまで。最終回は、そこから詰め切るまでをご紹介させていただく予定です。
vs穴熊 ポイント整理
いきなり実戦の棋譜紹介に行く前に、まずはそもそも「先生直伝のvs穴熊」のポイントはどこなのか、私なりの理解をご紹介させていただきたいと思います。詳しくは、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」の第4章をご覧いただければと思いますが、かいつまんでいうと
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- 6六銀型四間飛車に組む。
- 主に7筋の歩・桂及び、角の動きを見定めて、タイミングを見て仕掛ける。
- 仕掛ける筋の候補は、5筋、4筋、7筋。
あたりがポイントかと、私なりに理解しました。主に1番目が本エントリー、2番目と3番目が次回のエントリーの内容になる、予定です。それでは早速、始めさせていただきます。
お決まりの出だし
【第1図】
初手からの指し手:▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲6八飛
この辺はそろそろ、改めてアレナニするまでもないかもしれませんが、オーソドックスな居飛車vs四間飛車の出だしです。
【第2図】
第1図からの指し手:△6ニ銀▲4八玉△4二玉▲3八玉
△6ニ銀からの玉の移動合戦も、まぁ普通かと思います。
【第3図】
第2図からの指し手:△5ニ金右▲2八玉△8五歩▲7七角△3ニ玉▲3八銀
△5ニ金右のタイミングが若干独特な感はありますが、取り立てて変ということもありません。お決まりの飛車先のガード(▲7七角)に▲3八銀と上がって、お互い片美濃囲いと船囲いが完成しました。
はい、ここがポイントです。
この時点で△3三角に来るということは、次に△2ニ玉に行きたいということです。つまり、左美濃か穴熊と予想されます。「▲1六歩と突いてみて、△1四歩と突き返してこなければ穴熊」とお伺いを立てることも出来るかと思いますが、
「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」によると、左美濃だろうが穴熊だろうが6六銀型が狙えます。「端歩を後回しにして高美濃からの6六銀型に組むのを急いだ方が良い」と書いてありました。
ということで、いつもなら端歩を突いてから▲7八銀を狙いたいところですが、今回は端歩を後回しにします。
穴熊の兆し
【第6図】
第5図からの指し手:△5四歩▲5八金左△2ニ玉▲4六歩
案の定、△2ニ玉と来たので、▲4六歩から高美濃を目指します。
△1ニ香が来れば、ほぼ穴熊確定です。戦法によっては、△1ニ香が来た時点で、がっちり穴熊に組まれる前に仕掛けないと不利、とされているものもあります。が、ここはがっつり穴熊と高美濃に組合いに行きます。四間飛車上達法にて先生曰く、
- 6六銀型を作り、虎視眈々と仕掛けを狙っていけば、穴熊に対し手も足も出ないということは、ない。
- 6六銀型で振り飛車が悪いという手順は、今のところ発見されていない。
とのことなので、今回はそれを信じてじっくり指してみました。
お相手の王様が「玉座」に収まりました。
次に▲4五桂と跳ねれば両取りになるので、▲3七桂と跳ねれば穴熊側としては角道を閉じざるを得ないと思っていましたが、△4四銀はちょっと意外です。△4四歩がスタンダードかと思っていましたが、お相手の方の工夫でしょうか。確かにこれなら、▲4五歩と突いたときに△5四銀と戻りつつ角道を開けることが出来ます。
ともあれ、角道が止まったことには変わりないので、6六銀型を作りに行きます。
【第10図】
第9図からの指し手:▲6七銀△2ニ銀▲6五歩△4ニ角▲6六銀
若干角が気になる動きをしていますが、ともあれ6六銀が完成しました。ポイントは、ここです。
- ▲3七桂と跳ね、次の両取り(▲4五桂)を見せて、相手に角道を閉じさせる。
実のところ、△4ニ角と行った時点で、穴熊の完成を諦めて、そのまま引き角で攻めて来るのかと思いました。が、△3一金と行ったので、やっぱり穴熊の完成を目指されそうです。若干△5ニ金、△4ニ角、△4三歩、△4四銀の位置どりが不自由そうではありますが・・・
ともあれ、それに対し、ここで6六銀型四間飛車の第1の狙い・5筋からの攻め(▲5六歩)を試みてみました。が、しかし。
さすが、お相手の方は、私より格上のことだけはあります。この△7四歩こそが、5筋からの攻めに対する、定跡化された反撃です。先生曰く、▲5六歩に△7四歩と突かれたら、一旦仕掛けを見送って、次のチャンスを待つ必要があるとのこと。
続きは次回のエントリーでご紹介させていただく予定ですが、本エントリーでは参考までに、△7四歩に対して無理に仕掛けるとどうなるか、ご紹介させていただきたいと思います。
参考:△7四歩に対して仕掛けると・・・?
話を分かりやすくするために、△4四銀型ではなく、一般的な△4四歩型に配置換えしました。
棒銀チックに、▲5五歩△同歩▲同銀と仕掛けたとします。ここで△5四歩と来てくれれば、▲6四歩からの仕掛けが成立するのですが・・・
8筋の歩の突き捨てからの△7五歩が、厳しい反撃です。▲同歩と取っても取らなくても次に△7六歩と来ますし、角が逃げれば△8六飛と飛車が突っ込んで来ます。△7四歩に対して、▲7五歩△同歩▲同銀を狙うのも同様で、やっぱり△7六歩が手痛い反撃になります。
また、結果図から、桂の利きを利用して4筋から仕掛けることも考えられますが・・・
▲4五歩と仕掛けた瞬間に△2四角と覗かれると、飛車当たりになってめんどくさいです。このように穴熊・△7四歩に対しては、現時点での無理仕掛けは成立しません。次のチャンスを待つ必要があります。
今までの私ですと、6六銀型を作れたことに喜び勇んで▲5五歩と仕掛けていましたが、この度無理仕掛けは成立しないことを学びました。
おわりに
いかがだったでしょうか。果たしてこのまま仕掛けを見送り、がっつり穴熊に組まれて、どうやって勝つことが出来るのか?次回のエントリーをお楽しみに!
*1:私も一瞬だけ5級に昇格しましたが、一瞬のことで、常時5級にはまだ遠いです。