跳ね返せ!四間飛車vs棒銀・最有力変化編の中盤

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あなたは四間飛車で、棒銀の攻めを受け切る手順をご存知ですか?本エントリーでは、四間飛車vs棒銀でお互い最善を尽くした際に、棒銀の攻めを受け切る手順について、整理・紹介させていただきたいと思います。

負けられない!四間飛車vs棒銀・最有力変化編というエントリーに対するサブエントリーの、第二回目になります。よろしくお願いいたします。

大駒の頭を叩くまで

【第1図は四間飛車vs棒銀基本形まで】
http://shogipic.jp/v/20C.png

ここまでの手順に関しては、こちらのエントリーをご覧ください。

ここから指していく上でのポイントとしては、

とにかく相手の右銀を抑え込む

です。

【第2図は▲3六歩まで】
http://shogipic.jp/v/GKX.png

第1図からの出だしはいくつかありますが、こちらのエントリーでもご紹介させていただいた通り、本サイトではこの▲3六歩が最有力だと考えています。主に、先後どちらでも使える定跡だからです。

【第3図は▲7六同銀まで】
△7六歩▲同銀
http://shogipic.jp/v/HNT.png

歩を突いてこられたら、銀で応じます。vs斜め棒銀と違って、vs棒銀の場合はあまり積極的に大駒交換に行きません。もし△7五歩と打ってきたら、冒頭で述べた棒銀失敗パターンです。とりあえず▲6七銀に引いておけば何も起こりません。

【第4図は▲6七金まで】
△6五歩▲6七金
http://shogipic.jp/v/HNS.png

7筋はこれ以上攻めるのが難しいので、ここらあたりで6筋に方針転換するのが、棒銀側の定跡です。対して、四間飛車側は、美濃囲いを崩して金を援軍に差し向けます。

【第5図は▲6七金引まで】
△6六歩▲同金△6五歩▲6六金引
http://shogipic.jp/v/HNU.png

6筋の歩が突っ込んできたら、▲同金するしかありません。間違って▲同銀なんかしちゃうと、飛車がタダ取られしてしまいますからね。しかし、再度△6五歩と打たれると、金を引くしかありません。残念ながら棒銀側の角成を止めることは、出来きないのです。しかし、そんなこともあろうかと、

あらかじめ9七の地点に香を逃しておきました。

定跡って凄くないですか?

【第6図は▲6五銀まで】
△7三銀▲6五銀
http://shogipic.jp/v/HNW.png

角成をチラつかせつつ、取り残されかかっている右銀も活用しようという贅沢な作戦が、この△7三銀です。対して四間飛車側も、相手の飛車の利きが遮られた隙を突いて、銀を繰り出します。

【第7図は▲7七桂まで】
△9一角成▲7七桂
http://shogipic.jp/v/HNX.png

ついに角成を決行してきたので、桂を逃します。単純に桂を逃がすだけじゃなく、角の帰り道を塞いでいる目的も、あると思います。多分。

【第8図は△7四銀まで】
△8九馬▲6八飛△7四銀
http://shogipic.jp/v/HNZ.png

逃げられるのが分かりきっている△8九馬の飛車いじめは、取ることが目的というよりは、7筋から飛車を追い出すのが目的だと思われます。おかげで、取り残されかかっていた右銀が7四に進軍して来ました。これを▲同銀とか取ってしまうと、△同飛から大ピンチになってしまいますが、

ここで手筋があります

【第9図は▲7五歩まで】
▲7三歩△同飛▲7五歩
http://shogipic.jp/v/HNb.png

飛車の頭を歩で叩いてからの、▲7五歩です。もし△6五銀と棒銀側が銀を取りに行けば、▲同桂が飛車銀両取りになります。しかも、▲7五の歩は▲4八の角でガードされているので、飛車は逃げる他ありません。いくら馬を作っていても、銀を失った上に飛車が追い返されては、棒銀側はかなり苦しくなります。

こういった、歩で大駒を引きつけてからなんかする手筋を自然に使えるようになると、上級者へ一歩近づくと思うのですが・・・知らないとなかなか難しいですよね。私もですけど。

定跡の結果図まで

【第10図は▲6六角まで】
△6三銀▲6六角
http://shogipic.jp/v/HNe.png

というわけで棒銀側は、△6三銀と逃げざるを得ません。さっき△7三銀と一旦銀を引いたのは「転進」と言えますが、今度のはほんとの「撤退」です。銀を追い払うことに成功したので、いよいよ四間飛車側が反撃に出ます。

【第11図は▲4五歩まで】
△4四歩▲4五歩
http://shogipic.jp/v/HNf.png

馬を作られてはたまらんので△4四歩と閉じますが、▲4五歩と追撃します。「四間飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋塾)」で紹介されている定跡はここまでですが、「ホントに勝てる四間飛車 (先崎式将棋レクチャー&トーク)」では、もう少し先の定跡まで紹介されています。

【第12図は▲7六銀まで】
△6四歩▲7六銀
http://shogipic.jp/v/HNj.png

おそらくこの△6四歩は、将来的に棒銀側の左銀を4筋の応援に回した時に、▲6四歩と抑えられると結構痛いことになりそうなので、先に抑えておく狙いではないかと思われます。

【結果図は▲4八飛まで】
△4三金右▲4八飛
http://shogipic.jp/v/GKl.png

棒銀側は4筋のガードに金を回し、四間飛車側も飛車角で4筋をロックオンしました。

おわりに

いかがだったでしょうか。個人的に、四間飛車vs斜め棒銀は「さばき合い」という技の印象だったのに対し、四間飛車vs棒銀は「押さえ込み合い」という力の印象があります。結果図からも、4筋を突破するための「力と力のぶつかり合い」が続きますが、それは次回以降のエントリーで検証したいと思います。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

目次に戻る場合は、こちら

2018/4/15 追記

四間飛車党様からいただいたコメント、参考までに可視化してみたいと思います。
【第7図 再掲】
http://shogipic.jp/v/HNX.png

ここから、△8九馬▲6八飛を入れずに、△7四銀から進めることかと理解しました。

【A図】
第7図からの指し手:△7四銀▲7三歩△同飛▲7五歩
http://shogipic.jp/v/Kfu.png

そして、飛車先を叩いてからの▲7五歩ですね。そこからさらに、△6五銀▲同桂△6三飛の展開です。

【B図】
A図からの指し手: △6五銀▲同桂△6三飛
http://shogipic.jp/v/Kfv.png

ここで▲5三桂成と行ってしまうと、確かに四間飛車側辛そうです。

【C図】
B図からの指し手:▲5三桂成△6七飛成
http://shogipic.jp/v/Kfw.png

私がいつも使用している将棋ソフト「将皇」の一手分析機能だと、B図からの推奨手は、▲6六歩でした。

【D図】
B図からの指し手:▲6六歩
http://shogipic.jp/v/Kfx.png

確かに棒銀側の飛成は防げそうですが・・・角道も止めてますし、ちょっと難解そうです。▲7四歩から7筋を狙う感じでしょうか??機会を見つけて、こちらの続きも検証してみたいと思います。

関連書籍一覧

四間飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋塾)

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ホントに勝てる四間飛車 (先崎式将棋レクチャー&トーク)

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