【スランプ】そうだ、棒銀を指そう【気分転換】

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本エントリーでは、四間飛車でスランプに陥った私が、気分転換に棒銀を指してみたことについて、ご紹介させていただきたいと思います。

「ちょっと棒銀指してみたいな」と思った振り飛車党の方であったり、これから将棋を始めて棒銀を指してみたい方だったり、「相振り飛車難しすぎるんで対抗型にしたい」と思う方だったりの、何かしらの参考になでもなりましたら、幸いでございます。

はじめにのはじめに

せっかく、去年の9月くらいに、9か月ぶりにブログの更新を再開し始め、1か月くらいはそこそこ更新出来ていたのですが・・・スランプに陥ったり仕事の資格試験の勉強があったりで更新する時間とモチベーションがあまり取れず。すっかり元の木阿弥に戻ってしまっていました。が、先日、無事資格試験も終わり、せっかくなので、記念に少し更新してみたいと思います。

ちなみに、その間何をしていたかというと・・・案の定、

他の戦法への挑戦

です。スランプに陥るたびに、他の戦法に浮気してみるのは、果たしていいことなのか悪いことなのか・・・変な癖がついてしまったような気が、します。それはさておき・・・ここから本編です。

はじめに

あなたは、スランプを感じることは、ありますでしょうか。私はそもそもスランプだなんて高尚なものにかかるほどのおこがましい実力者でもないですが、将棋ウォーズで1級に上がって以来、なんとなくうまくいきません。

角交換四間飛車も右四間飛車も今一つ調子が出ず。久しぶりにノーマル四間飛車に戻してみたり、角道を閉じる相手には右四間飛車ではなく石田流にしてみたり、色々試行錯誤してみたものの、今一つ。思うに私、

さばき合いのセンスがない

んじゃないかという、気がしてきました。うまく駒がさばけて打ち込み合っても、ここんとこなんか、いまいちなんですよね。当然かもしれませんが、相手の駒をうまく抑え込めたときの方が、勝率が高いです。じゃあ、抑え込みの戦法といえば・・・?そう、

棒銀

ですね。多分*1。振り飛車党目線で言えば、銀と歩でジンワリと飛車角を抑えこまれる、いやーな感じの戦法です。とあるユーチューバーの方のアンケートによると、振り飛車党の方が一番やられて嫌な急戦は、棒銀なんだとか。そんな棒銀、

やってみたいと思ったことは、ありませんか?

思えば、私が初めて棒銀をやってみようかなと思ったのも*22級に昇格して行き詰りを感じているときでした。このときは、相振り飛車が難しすぎるので、相手が振り飛車で来たら、こちらは棒銀にしようかな?と、思ったのです。

そもそも、対居飛車と相振り飛車で、四間飛車の指し方は全然違います。一方、対振り飛車の棒銀であれば、普段受けているので、別の勉強をしなくてもある程度は分かります。もしかして、対抗型党というやつになると、勉強量も少なくて済み、苦手な相振り飛車からも解放されるのか?と思ったのが、始まりでした。

棒銀を指しこなす上で最低限必要な知識

振り飛車に対する抑え込み

振り飛車に対する棒銀の知識は、四間飛車党の方なら言わずもがなかと思いますが、三間飛車や向かい飛車に対しても、大体近しい感覚で序盤駒組出来ると思います。個人的に、棒銀の隠れたメリット(?)として、真っすぐに棒銀に行くと、お相手は早石田に組みづらいというものが、あるのではと思っています。もちろん、無理やり行こうと思えば、行けなくもないですが・・・コンピュータ解析すると、やっぱり無理やり感が漂っている(つまり、棒銀側が有利)な、気がします。一例として、先手が三間飛車で、先後逆表記で書きますと・・・

【A図】
初手からの指し手:▽3四歩▲2六歩▽3五歩▲2五歩

こうなります。本来、石田流だと、居飛車の▲2五歩は▽3四飛で受けたいところですが、間に合いません。居飛車側が初手▲7六歩から入ってれば、間に合いましたが、初手▲2六歩だと、例え三間飛車側が先手であっても、石田流には組めません。ここで▽3三角と受けて、▽3二飛と三間飛車に持っていくと、角が飛車の頭に乗っかって不本意なのか・・・

【B図】
A図からの指し手:▽5五角

無理やり、3筋の飛車先を確保しようとする人と、ちょいちょい出会います。「飛車先がタダやん」と▲2四歩突っ込みたくなりますが・・・(実際、将棋ソフトだとそれが最善手なので、間違ってはいません)

【C図】
B図からの指し手:▲2四歩▽同歩▲同飛▽2二飛

お相手も当然、飛車をぶつけてきます。ちょっと、▽3三角型角交換四間飛車の定跡っぽくなってきましたが・・・

【D図】
C図からの指し手:▲2三歩▽3二飛

この戦型だと、飛車は2一には引けないので、こうなります。かなり無理やりですが、飛車先を通したままで三間飛車に振られました。三間飛車側としては、3三に角を引くと、こんな無茶をした意味がなくなりますが、かといって、▽7四歩から角を逃がすと、▲7六歩と先手から角道を開けられそうな感があります。そこで▽3三桂とかで受けてると、また無理やり飛車先を通した意味がなくなってくるので、▽3六歩からとにかく攻めてくるんじゃないかと思います。▲5六歩から角をおっぱらうよりも、▽3七歩成の方が早いですし、かといって▲3六同歩だと角に成られてしまうので・・・

【E図】
D図からの指し手:▲3八銀▽3六歩

棒銀の余地を残しつつ受けようとすると、こんな感じでしょうか。

【F図】
E図からの指し手:▲3八金▽3七歩成▲同銀▽3六歩▲4六銀▽同角▲同歩▽3七銀

そこで、相振り飛車よろしく、こんな展開になったとします。一見、困ったようにも見えますが・・・

【G図】
F図からの指し手:▲5八金寄り▽4六銀不成▲7六歩

ここは金を避けて、角道を開けるのが、うまい返しです。▽3三桂とすれば▲3四歩から追撃できすし、角成や歩成を止める適当な手が無さそうです。▽3五銀~▽2四歩と飛車いじめは出来そうですが、将棋ソフトの評価値は先手-1800ポイント。三間飛車側敗勢といっても過言ではないでしょう。

ということで、三間飛車といえども、棒銀は一旦受けに回った方が、局面評価は良いような、気がします。

矢倉崩し

将棋はお相手がいることなので、自分が「対抗型党になりたい」と思っても、お相手が必ずしもお付き合いしてくれるわけでは、ありません。しかし、将棋ウォーズには得意戦法の表示機能がありますので、ある程度、対抗型になる確率を上げることは、出来ます。例えば、後手番に限定して、お相手の得意戦法が振り飛車系で、お相手が初手▽3四歩とついたときに、こちらの初手を▲2六歩とするなどが、考えられます。がしかし、それでも相居飛車になることは、避けられません。

【H図】
初手からの指し手:▽3四歩▲2六歩

お相手が▽3四歩と突いたので、とりあえず▲2六歩とつきました。今ならばまだ、無理やり振り飛車にすることも、出来なくもありません。ちょんまげ美濃ってやつですね、きっと。

【I図】
H図からの指し手:▽3三角▲2五歩

お相手が▽3三角と受けてきたので、「お、振り飛車かな?」と、意気揚々と歩を進めます。

【J図】
I図からの指し手:▽4四歩▲3八銀

「お相手が角道を閉じてきたので、ノーマル四間飛車かな?」と、気分は対抗型で棒銀を開始します。

【K図】
J図からの指し手:▽4二角

ファ!?

てっきり▽4二飛だと思っていたので、初めて見たときは、面食らいました。まぁしかしそれでも、ここまで来たら仕方がないので、棒銀を続けます。

【L図】
K図からの指し手:▲2七銀▽2二銀▲2六銀▽3三銀

ここで、困りました。振り飛車党の辞書には、こんな棒銀の受け方は、ありません(多分)。ここから▲1五銀と攻めを続行しても、2四の地点には角と銀が効いているので、受けられます。かといって、▲7六歩と角道を開けても、お相手は角道を閉じているので、一見何も起こりません。これが

矢倉

というやつでしょうか。「四間飛車だと思っていたら、いつの間にか矢倉になっていた。何を言っているのかry」な、気分です。というわけで、対抗型党になるつもりで棒銀を指すのだとしても、こうなったときのために、矢倉崩しも覚えておく必要が、あることを悟りました。

相掛り棒銀でさばき合う

矢倉崩しで相居飛車を経験すると、お相手の得意戦法が振り飛車表示なら、自分が先手でも、▲2六歩と突きたくなってくるかもしれません。対抗型になる確率はありますし、矢倉で受けられても、矢倉崩しは習得済みです。少なくとも、相振り飛車には、なりません。しかしそうなってくると・・・

【M図】
初手からの指し手:▲2六歩▽8四歩

こうなる可能性が、あります。お互いが棒銀を目指す、「相掛り棒銀」というやつですね。多分。「攻めの銀と守りの銀を交換すれば、棒銀成功」なんて格言があるみたいですが、初心者だと銀交換した後に何をすればよいのか、路頭に迷う展開になることも多く、出だしはシンプルながらも奥の深い展開になりがちな、イメージがあります。

「銀交換した後の攻めの銀を、どう撃ち込むか?」という観点で言うと、さばきに近い感覚かも、しれません。ただ、相振り飛車の定跡に比べれば、相掛り棒銀の定跡の方が覚えやすい気もするので、気分転換にやってみるのも、一興かもしれません。とはいえ、意外と厄介なのが、定跡を無視してとにかく攻めてくる や 無茶な棒銀nistです。

無茶攻めなので将棋ソフトの評価は低いですが、受け方を知らないと攻め潰されるのが、棒銀の恐ろしいところです。

中飛車相手に手探り

問題はここです。棒銀目線で、棒銀vs中飛車を扱っている情報が、なかなか出てきません。youtubeで検索してすら、あんまり出てこないです。また、初手から中飛車に来てくれればまだ分かりやすいですが、一旦こちらの棒銀を矢倉風に受けときつつ、こちらの矢倉崩しを中飛車でけん制するような指し方もあるみたいで、何がセオリーなのかさっぱり分かりません。さっぱり分かりませんが、将棋ソフトの最善手を頼りにしてみるに・・・

  • 囲いは、船囲いの方が、評価高そう
    • 上から攻撃されるのでカニ囲いにもしたくなりますが、飛車を回られたときが結構いたい。
  • 5筋の飛車先の歩交換に対して、歩を打ち直して飛車を追い払おうとするのは、基本評価低い
    • 銀か金を当てて追い払う方が、だいたい評価高い

くらいは、分かりました。ただ、将棋ソフトの評価は、そこまで棒銀側も低くない・・・ような、気がします。

対抗型である必要はあるのか?

問題はそこです。

ここまで覚えれば、もはや棒銀一本でも行けそうな感じは、あります。ではなぜ前回、ここまで来て棒銀を止めてしまったのかというと・・・一つ目が

後手で、相掛り棒銀になった場合に、どうしよう?

これです。例えば、

この書籍などでもそうですが、相掛り棒銀を扱っている本だと、大抵は先手が一方的に攻めて、有利になります。将棋は基本先手が有利なので、先後同型で戦っていれば、致し方ないかもしれません。自分が後手で、相手が▲2六歩してくれば、▽3四歩の出だしから入るという手もありますが、先後で出だしを分けるのも、それはそれで個人的にしっくりきません。そして二つ目が、

矢倉崩しをどうしよう?

これです。棒銀で矢倉崩しを検索すると、代表的なのが、

こんな感じで、引き角棒銀で端の突破を狙うやつかと思います。これが意外と、しっくりきません。矢倉を崩すのにこちらも矢倉調に構えているので手数がかかり、体制を整えている間に相手に攻められたりも、します。矢倉調に構えると、右四間飛車なんかに来られても、結構やっかいです。

そんなこんなで対策に悩んでいるうちに、初心者向け三大戦法最後の一つ・原子中飛車にも手を出してみたのが、前回でした。

今回のテーマ

そんな訳で今回、四間飛車ネタも枯渇気味でスランプなのにかこつけ、気分転換に調査・研究してみようと思ったのが・・・

  • 相掛り棒銀で後手は、攻め手を作ることが出来るのか?
  • 引き角にせずに、棒銀で矢倉を崩すことは出来るのか?

これです。ここまでくれば振り飛車党の方にはあまり興味のない話かもしれませんが・・・せっかくなので、しばらく棒銀ネタをやってみようと、思います。

おわりに

そんなわけで、今回のエントリーはここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。「ちょっと棒銀指してみたいな」と思った振り飛車党の方であったり、これから将棋を始めて棒銀を指してみたい方だったり、「相振り飛車難しすぎるんで対抗型にしたい」と思う方だったりの、何かしらの参考になでもなりましたら、幸いでございます。

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*1: 相居飛車で棒銀だと、さばき合いになったりするみたいですが

*2: より正確に言うと、将棋を始めた頃は棒銀を指していたので、「本格的に四間飛車を指すようになって以降、初めて」という意味になりますが。