四間飛車党のあなたに朗報!?右四間飛車限界説

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本エントリーでは、四間飛車党にして似非右四間飛車も指しこなす私が、右四間飛車目線で、「最近対振り右四間飛車厳しいなぁ」と思うことについて、アップしてみたいと思います。

右四間飛車に苦しむ四間飛車党のあなたに、何かしらの参考にでもなりますれば幸いでございます。

はじめに

皆様は右四間飛車は好きですか。私は、右四間飛車されるのは嫌いです。最近は角交換四間飛車メインで指しているのに、絶対角道開けないマンに仕方なく角道閉じさせられ、こちらが角道を閉じたのを見計らって角道開けるクレバーな人に、 こんにゃろうめ してやられたと思うことも、しばしばです。思えば、こんなエントリーで右四間飛車を研究してみたことも、ありました。
www.chiba-nm4.com

そんな私ではありますが、最近は角交換四間飛車を指す傍ら、右四間飛車も指しています。指すようになったいきさつはこのあたりのエントリーにもありますが、早い話が、一度指してみたかったんですよね。指してる側はさぞかしいい気分なのかしら、と。実際、級位者同士での対戦では、割と勝てました。勝率が7割近くになることもありましたし、戦法別段級位も最高が0.52級で、大体メイン戦法である四間飛車よりも高い水準をキープしています。

それが将棋ウォーズ1級に上がって有段者と対戦することも増え、なんとなく右四間飛車にも、限界を感じ始めています。似非なので致し方ありませんが、しばしば右四間飛車止めて再び(角交換含め)四間飛車一本で行こうか、と思うこともあります。その最大の悩みはというと・・・

結局、対振り用の囲いはどれがいいんだ?

ということです。

右四間飛車は囲いが脆い?

まずは船囲い

そう、なんかどう囲っても、飛角銀桂総交換の展開になると、打ち合いが厳しい。うまくお相手の飛車を抑え込めればいいんですが、うまく交換に持ち込まれると、結構厳しいのです。まぁ、私の終盤力がへなちょこなだけという説もありますが。

まずは、船囲い。四間飛車目線で見ているときは、船囲いって意外と堅いなぁと思っていましたが、右四間飛車の目線に立ってみると、心もとないことこの上ないっす。まずは、こんな感じ。

【A図/船囲い】

角交換になったときに備え、右四間飛車でも香上がりしています。ここからが悩みどころなんですよね。このままだと、角交換になったときに1一から9九のラインがガラ空きです。例えば、飛車を4四に走ったときに、3三に自陣角を打たれたりなどすると、角成まったなしです。

加えて、玉の右にいるのが金だけというのも、心もとない限りです。飛車交換になった際に2段飛車を打ち込まれた際には、だいぶ脇がスース―して、安心して攻め合えないことこの上ないです。

また、桂馬を3七に跳ねるのも、これはこれで諸刃の剣なんですよね。飛角銀桂総攻撃が右四間飛車のウリではありますが、桂馬がいなくなれば、3七に角を打ち込まれます。なので、せめてもの抵抗に、あらかじめ香上げしといて、ダイレクトに香を取られることを防いでいるわけですが・・・

例えば、1一/9九ガラ空き問題及び、玉脇スース―問題に対処するために、以下のように駒組したとします。

【B図】
A図からの指し手:▲7七角▽3三角▲6八銀

一見、問題はある程度解消しているように見えますが、自分から角交換に行くと、瞬間的に1一/9九ラインがガラ空きになりますし、相手から角交換されると、玉脇スース―問題が起こります。

以下のように、銀を8八に上げる手もあり、

【C図】
A図からの指し手:▲7七角▽3三角▲8八銀

ラインガラ空き問題は解消しているものの、玉脇スース―問題は相変わらずで、かつ壁銀問題という新たな問題を、抱えています。銀が逃げ道を塞いでいる状態で、7七に桂馬の利きとかを作られたりすると、結構辛いんですよね。

主に2級同士で対戦している頃は、それでもB図あたりが、右四間飛車の速効性を殺さず、囲いにかける手数と堅さのバランスが取れた、妥当な線かなと思っていました。

しかし段々、対戦相手の各が上がるに従い、もっと堅い囲いにしたくなってきます。

穴熊はどうなの

堅い囲いの代表というと、穴熊ですよね。アマチュアでは、右四間飛車+穴熊は最強だと主張されている方も、います。例えば、A図から穴熊に行ってみたいと、思います。四間飛車は、基本、高美濃に行ってもらいましょう。

【D図】
A図からの指し手:▲7七角▽3三角▲8八玉▽6四歩▲9八香▽6三金▲9九玉▽7四歩▲8八銀▽7三桂▲7九金▽8四歩▲6八金

ここです!

実は結構、ここからの駒組が、悩ましいのです。このままだと将来的に▽5九銀とかで銀割りをくらいそうですが、かといって▲7八金とかいくと、5七の地点に、利きがなくなります。▽2四角~▽4五歩と来た時に、うっかり▲同歩とかすると、▽5七角成されます。

私個人的には、右四間飛車相手に自分からは攻め辛いですが、穴熊への囲いの途中でうまいこと攻めてくる人も、いるにはいるんですよね。また、ここから▲3七桂~▲2五桂と跳ねた時に、▽3七角からの反撃が気になるのは、右四間飛車に共通です。端歩の関係がD図とはちょっと違いますが、以下のような局面図で、将棋ソフトの評価はほぼ互角。意外と将棋ソフトって、振り飛車には評価厳しい割りに、だからといって穴熊を評価しているわけでも、ないんですよね。

じゃあ天守閣美濃は?

先ほどの穴熊の課題ですが、逆に銀割りを食らわず、5七の地点に利きがある囲いで、船囲いより堅そうというと、天守閣美濃があります。

【E図】
A図からの指し手:▲8六歩▽6四歩▲8七玉▽6三金

たしかに銀割りを食らわず、5七の地点に利きがあり、かつ玉脇スース―問題もなく、横からの攻撃には強そうですが、今度は玉頭脆い問題があります。また、右四間飛車の仕掛け上、角道は閉じたくないため、▽8八角成▲同玉とかなると、天守閣に行った意味がなくなってきます。また、「右四間飛車のコツは、最後に端攻めを絡めること」なんて将棋ウォーズの戦法紹介に書いてありますが、天守閣美濃だと8六に桂馬が打てなくなっているので、地味に端攻めをしづらくしている感も、無きにしもあらずです。

端玉銀冠でどうだ!

というわけで、天守閣美濃からさらに堅くしようとすると、端玉銀冠があります。

【F図】
E図からの指し手:▽7四歩▲9八玉▽7三桂▲8七▽8四歩▲7八金

一応、天守閣美濃の欠点は、改良されています。この端玉銀冠、ぱっとネットで検索してみると一部での評価は高く、

  1. まぁまぁ堅くマイナーな囲いで崩し方を知らない人もおり、初段くらいまでの対振りの囲いとしておすすめ
  2. 端玉銀冠+右四間飛車は手強い

なんて声も、なくはなかったですが・・・やってみた結果一番つらいのはやはり

銀割り

です。右金をどう動いても銀割りくらいますし、▲4九飛とか銀割りを避ければ▽3八角があります。▽3八角や銀じゃなくても、▽4八歩と叩きの歩してから銀割りする手も、ありますしね。飛角銀桂総交換の後に銀割りして2段目飛車を打たれれば、玉脇スース―問題の再燃です。

・・・というわけでどんな囲いにしてもなかなかに安心して▲4五歩と、突けません。・・・まぁ万能の囲いなんてないので、それはそうかもしれませんが。

そうだ、仕掛けを変えてみよう

で、思ったのが、

飛車の位置

です。4筋の位置にいるから銀割りから逃れられないのであって、何か他の仕掛けはないのかと。端玉銀冠から飛車の位置を変えようかと思いましたが、よくよく考えてみると、A図の▲6八金型の穴熊でも、良さそうですよね。穴熊に組み上がった後に、8筋に振りなおせば・・・とか、考えていると、気が付きました。

それってもう、右四間飛車じゃなくない?

そうなんです。▲4五歩からの、いわゆる右四間飛車的な仕掛けは、どんな囲いであっても反動負けしそうで、穴熊や端玉銀冠に組むための「見せ球」として右四間飛車を使うという方が、効果的な作戦のような気がしてきました。

・・・本当にそうなんだろうか?

もしそうだとするならば、▲4五歩からのいわゆる右四間飛車的な攻めは、遅るるに足らずということになりますね。

おわりに

いかがだったでしょうか。四間飛車党が右四間飛車目線で感じた、各囲いに対する不満の数々。所詮、1級レベルの感想ではありますが・・・級位者同士の対戦で右四間飛車に苦戦している方の、何かしらの参考にでもなれば幸いでございます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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