新たなる希望!井出四段vs渡辺竜王戦に学ぶ四間飛車・終盤編
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本エントリーでは、棋界屈指とも言われる新進気鋭のノーマル四間飛車の使い手・井出隼平四段初の著書「四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)」から、あの渡辺竜王の居飛車穴熊を破った自戦記のうちの終盤戦を、井出四段側を先手表記にして、ご紹介させていただきたいと思います。
「新たなる希望!井出四段vs渡辺竜王戦に学ぶ四間飛車」というエントリーにて対するサブエントリーの、第三回目になります。
はじめに
高美濃囲いvs穴熊の駒組みから、催促される形で飛車交換をすることとなった前回。△4ニ銀と固めて来ると思いきや果敢に攻める渡辺竜王。「もしかしたら自分が結構やれているから、攻め急いでいるのかも・・・?」と思い、得意の端攻めに懸ける井出四段。
果たして、端攻めは決まるのか・・・?
優勢を意識する
渡辺竜王は攻め合いを選択されましたが、井出四段が一番警戒していたのは、
△4ニ金引きだったとか。▲同香△同銀でかえって固くなってしまうことを警戒していたそうです。
ここで角切りが思い切りのいい手ですね!△同銀と行けば龍が突っ込んで来るので△同桂ですが、そこで金取りの香成。ここではっきり優勢を意識したそうです。
龍を遮断する△4一歩ですが、素人目には苦戦を認める手にも見えなくもありません。井出四段側は駒損ではあるものの高美濃囲いが手つかず。一方渡辺竜王側は飛車がまだ使えておらず、穴熊も崩壊寸前。「まだ持ち時間があったことが幸いし、高ぶる気持ちを押し殺しながら考えていた」とのことです。
ついに追い詰める
龍取りの△6四角に、構わず▲3一金。「龍取りは読みきっていたつもりだったので、強く勝ちを意識した」とのこと。思わずゲッとなりそうな私とは大違いですね!読み切ったという思いから居ても立っても居られず、平静を装うのが精一杯だったとのこと。
【第6図】
第5図からの指し手:△9一角▲2一金△1ニ玉▲3ニ金
圧倒的に優勢のようですが、さりげなく9九の馬が守りに参加していますね!私とか未だに、すっかり馬のことを忘れて▲2ニ金とかやってしまいそうです。
大金星
一見金に香を当てられて、馬にも睨まれて危ないようですが、この馬の利きを遮断する▲3三香が決め手だとか。
3三の地点の攻防が続き・・・
からの・・・
▲2ニ銀で投了、井出四段の勝ちです。次の▲1一銀成が受からず、△2四歩と逃げ道を開けても、▲3ニ角で必死とのこと。
おわりに
いかがだったでしょうか。井出四段曰く、勝因は以下とのことです。
- 端攻めが急所に入った。
- 一段飛車と端攻めの組み合わせは効果抜群。
- 相手が格上でも筋に入れば寄せ切れる破壊力があることを証明できた一局で、自信になった。
というわけで、本エントリーの内容はここまでになります。「四間飛車をやってみたいけどイビアナ相手にオワコンなのが気になる」なんて、思っていらっしゃる方の、何かしらの参考にでもなりましたら、幸いでございます。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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参考書籍一覧
四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)
- 作者: 井出隼平
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/03/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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