新たなる希望!井出四段vs渡辺竜王戦に学ぶ四間飛車

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あなたは井出隼平(いで じゅんぺい)四段をご存知ですか?2016年にプロ入りした若手棋士にして、最近のプロ棋界の風潮にしては珍しく、ノーマル四間飛車に拘りを持たれている先生です。

昨年、あの渡辺竜王(当時)の居飛車穴熊相手にノーマル四間飛車で快勝するという大金星を挙げ、一躍話題となりました。

本エントリーシリーズでは、そんな井出四段vs渡辺竜王の一戦を、初級者の四間飛車党の方にも分かりやすいように、四間飛車側を先手表記にして、ご紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

はじめに

ちょうど半年ほど前くらいになりますでしょうか。本サイトでは、以下のようなエントリーにて、四間飛車の新刊が発売されることを、ご紹介させていただきました。
www.chiba-nm4.com

あれから半年。実は今、さらにもう一冊の四間飛車本が発売されていることを、ご存知でしたでしょうか?それが、こちら。

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

本エントリーシリーズの主役・井出隼平四段初の著書となる「四間飛車 序盤の指し方完全ガイド」です。井出四段と言えば、「四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)」でもお馴染み、四間飛車破りには一家言持っている(であろう)あの渡辺 明竜王(当時)を破ったお人。どんなことが書籍に書いてあるのか、気になりますよね!

ぱっと見た感じの印象だと、

  • 急戦は基礎を一通りさらり。
  • vs居飛車穴熊、特に端攻めに拘りを持って解説されていて、
  • その他の持久戦も一通りさらり(天守閣美濃、5筋位取り、玉頭位取り)。

といった感じでしたが、本サイトが注目したのはズバリ、渡辺竜王との自戦記です。ざっくり言うと、

  • 序盤は藤井システム含みの角道クローズ型四間飛車(いわゆる、ノーマル四間飛車)から始まり、
  • 中盤は高美濃vs居飛車穴熊に落ち着いて、
  • 終盤はなんと、高美濃が崩れることなくの快勝!

です。渡辺竜王の居飛車穴熊相手に!どんな一局だったのか、気になりますよね?というわけで、本エントリーシリーズでは、当エントリーをまとめページ(一覧ページ)にしつつ、3回くらいのサブエントリーに分けて、井出四段側を先手表記で(実際の対局では、井出四段が後手)、ご紹介させていただきたいと思います。

また、最終サブエントリー(4回目くらいを想定)では、対局をkifu形式にして将棋ソフトに食わせ、形勢判断分析なんかも、してみたいと思います。果たして将棋ソフトは、どのような形勢判断を下すのか・・・?我ながら、楽しみです。

井出隼平四段とは?

これだけでは何ですので、本エントリーの残りでは、井出四段のプロフィールについて、軽くご紹介させていただければと思います。

井出四段は1991年生まれの現27歳、プロ入り年月日は2016年4月1日になります。奨励会の年齢制限が26歳までということを考えると、どちらかというと遅い部類のデビューではないでしょうか。

将棋を始めたのは小学3年生の頃、当時から振り飛車党だったそうですが、四間飛車に絞り始めたのは兄弟子の櫛田陽一七段の影響によるもの。「もう少し戦法を絞ったほうがいい」とアドバイスを受けたとか。著書では「なぜ四間飛車を選んだのか、未だに分かりません(笑)」とありますが、ググると出てくる「将棋情報局」のインタビューによると、以下の理由のようです。

  • 序盤から激しくなる将棋があまり得意ではない。
  • 例えば、ゴキゲン中飛車など、超級戦があるような激しい形は、やめていった。
  • そうしたら、最後に四間飛車が残った。

私ごときが上から目線でいうのもなんですが、

  • 初心者が戦法を絞るんだったら、四間飛車。
  • 万能性があるし、安定して駒組みできるので、オススメ。

なんて、初心者が四間飛車を勧められる理由と似ていて、なんだか親近感が湧きます。その後、窪田七段流の薄い玉系からの攻めや、行方八段流の居飛車的感覚などを取りれ、少し将棋の幅を広げて今に至るとか。曰く、井出四段が思う四間飛車のコツは大きく二つ、以下とのことです。

  • 堅く囲って大きく駒を使う、きれいなさばき。筋の良い手筋。
  • そこからさらにステップアップしようとすると、薄い玉系、居飛車的感覚も必用になる。

ただ、後者は奨励会の有段者くらいになって手を出してもいいくらいで、下手に手を出すと火傷するとか。まずは前者ができれば立派なアマチュア有段者で、著書は前者を中心に書かれているとのことです。

デビュー後は2016年10月30日に行われた加古川清流戦に優勝し、翌2017年9月21日には渡辺竜王にノーマル四間飛車で快勝して注目を浴びることとなりました。さりげに、藤井聡太現七段が公式戦初の2連敗を喫した時の2敗目を相手も、井出四段だったりします。曰く、「(ノーマル四間飛車は)プロ棋界では苦しい戦法と言われている現状ですが、私の中ではまだまだ鉱脈が残されていると思っています」とのこと。

今年は今の所2勝7敗と苦戦しているようですが、今後の活躍も期待したいですね!

シリーズ一覧

参考書籍一覧

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車 序盤の指し方完全ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)

四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)

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