【実戦紹介】四間飛車vs穴熊【2018/4/30】その2

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実戦紹介カテゴリー新設第1段となった本シリーズ、前回はまさかの穴熊からの3筋・4筋位取り作戦(?)で高美濃囲いを封じられると展開となってしまいました。起死回生を掛けた(?)見よう見まねの▲6七金作戦、果たして結果はどうでますでしょうか?

はじめに

【第1図は前回の結果図】
http://shogipic.jp/v/L03.png

冒頭でもご紹介させていただいた通り、前回は△4五歩と突かれて高美濃囲い封じられたので、仕方なく▲6七金と上がって飛車を4筋や5筋に振れるようにしたところでした。

今回のパートでは、ここから最後までをアップしていきたいと思います。

飛車を振り直す

【第2図】
第1図からの指し手:△2四角▲5七銀
http://shogipic.jp/v/L2e.png

案の定飛車のコビンが開いているので角で覗かれました。飛車を引いても特に何も起こらなそうですが、引くと飛車を振れる範囲が狭まるので、ここは銀でブロックです。

ちなみに将棋を始めたころに将棋の本を読んでいると、やたらと「玉のコビン」やら「飛車のコビン」やら、コビンってなんやねん?って思ったことはありませんか?

将棋通の方には常識かもしれませんがコビンは小瓶ではなく小鬢、もみあげが語源で駒の斜め上のこと。もみあげってどこから見て斜め上やねん?なんてツッコミもあるかもしれませんが、駒の四方を人体に見立てる表現って多いですよね。真上が頭(例:頭金)で真下が尻(尻銀とか)、真横が腹(腹銀とか)で斜め下は裾(裾銀)とか使います。

・・・ほとんど銀ですね

銀は人体にまとわりつくストry・・・冗談はさておき、続きを行ってみたいと思います。

【第3図】
第2図からの指し手:△7四歩▲9六歩△9四歩▲4八飛△5一角
http://shogipic.jp/v/L2f.png

△7四歩を突かれたので、もし△7三桂と跳ねて来たら桂頭を狙うことも視野に入れようと思い、9筋の歩を詰めときました。強引に端から一歩手に入れ、▲7五歩△同歩▲7四歩と狙う筋です。・・・角頭も危なくなるので、8筋に飛車の利きがあるうちはやりませんが。

対して、端歩を受けて来たので、狙い通り▲4八飛。お相手は△5一角。△7四歩と突いたのは桂を跳ねるためじゃなく、△5一角〜△7三角と回るためだったみたいです。穴熊のときの攻め筋の一つですよね、多分。

一旦△2四角と覗いてみたのは、あわよくば飛車を引かせて4筋に振れなくしてから、5一に引こうという狙いだったのではないかと、思います。こちらも、引角なんかでたまにでてくる高等手段(?)な、気がします。今回は銀でブロックできて、助かりました。

攻めはやっぱり棒銀風

【第4図】
第3図からの指し手:▲4六歩△同歩▲同銀△7三桂
http://shogipic.jp/v/L2g.png

やっぱり開戦はこの一手、初級者にとって安心と信頼の心の友・棒銀風の攻めです。対してお相手は△7三桂。△7三角と回って手を作るのでは遅いとの判断でしょうか。確かにここから△6五桂と跳ねれば角当たりですが、▲6八角と引いとけば何も起こらなさそうな気がします。

・・・穴熊に囲いつつ高美濃を封じてやろうという意欲的な作戦でしたが、穴熊の囲いが中途半端なのが少しお相手の方利いてそうですね。なんとなく今のところうまく咎めることが出来ている気がします。

・・・こういうの、藤井先生流に言うと、「相手の力を利用して投げる」とでも言うのでしょうか。四間飛車の醍醐味です(多分)。

【第5図】
第4図からの指し手:▲4五銀△4三金
http://shogipic.jp/v/L2h.png

という訳で、桂馬は放置して銀を進めます。一見、金で受け止められて手に困りましたが・・・私にしては珍しく、決め手を思いつきました。

【第6図】
第5図からの指し手:△3四銀
http://shogipic.jp/v/L2i.png

ズバリ、△3四銀

です。一見銀がただステのようですが*1、△同金と取れば▲4一飛成。金を逃げても攻めは続きそうです。

・・・今見返してみると、地味に△4四金とかに行かれるとちょっと困った感じもしますが・・・そうなると▲同角と角を切って決戦でしょうか??お相手の方はまだ8筋の歩の突き捨てをしていないので、こちらが角を切って△8六歩されても、放置すれば攻め足が少し遅そうですし、

ニ段目に飛車の横利きが無くなるのも、それはそれで寄せ合いに有利そうです。

攻めが決まる!

【第7図】
第6図からの指し手:△3四同金▲4一飛成
http://shogipic.jp/v/L2j.png

見えていなかったのか見えていてあえてなのか、果たしてお相手の方は△3四同金。藤井先生が四間飛車上達法にて曰く、「初級のうちは仕掛けてみることもお勧めする。初級の場合相手が正しく受けるとは限らないし、攻めてみて手痛い反撃にあって初めて、攻める・待つの呼吸を実体験として学べる」なんてこともおっしゃっていますが、ここは攻めが決まりました。

【第8図】
第7図からの指し手:△2四角▲3ニ金
http://shogipic.jp/v/L2k.png

角をただ取りされてはたまらんとのことで、お相手の方は角を逃しました。が、▲3ニ金と抑えて、勝負あった感じがします。「相手の打ちたいところに駒を打て」じゃないですが、角を犠牲にして△3ニ銀とか抑えとけば、多少は嫌らしい感じがします。

・・・ここまでくれば焼け石に水な感じもしますが。

【結果図】
第8図からの指し手:△4四歩▲2一龍
http://shogipic.jp/v/L2l.png

▲2一龍・▲2ニ角成の二つの必死を、同時には防げません。・・・▲2ニ金△同飛とかやっちゃいそうなところが私の恐ろしいところですが、それでも▲同角成△同玉▲3ニ飛△1一玉▲2ニ銀で、なんとか詰みそうですね。

おわりに

いかがだったでしょうか。今回は出来過ぎなくらいうまく攻めが決まりましたが、毎度毎度の「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」によると、左金の使い方が一つのポイントのこと。右金・右銀の、いわゆる「片美濃」の部分は自分から動かすことはありませんが、左金に関しては、場合によっては積極的に攻めに使っていくのも、上達法するポイントだそうです。

と言う訳で、本エントリーの内容はここまでになります。次回本シリーズ最終回では、初の試み・総集編として、ページ内に棋譜再生を埋め込み、本対局を「流して」見れるようにしてみたいと思います。お楽しみに!

シリーズ一覧

参考書籍一覧

四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)

四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)

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*1:そんな風に見えるのは私だけかもしれませんが・・・