四間飛車党と相振り矢倉への挑戦
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あなたは相振り飛車で、矢倉を指しこなしたいと思ったことはありませんか?「矢倉に組んだら作戦勝ち」なんて言われているから組んでみたら、一方的に受けに回ってそのまま攻め潰されたなんてことは、ないでしょうか。
本エントリーでは、そんな相振り界のトリックスター(?)・矢倉について、初級者なりに勉強していきたいと思います。
はじめに
本エントリーは、「端攻めを制するものは相振りを制する?目指せ!端攻めマスター」に続く、私の相振り力強化企画・第2弾のご紹介になります。
以前、こちらのエントリーなどで、▲7六歩〜▲6六歩の出だしをスタンダードとするノーマル四間飛車党にとって、相振り飛車で▲2八銀と上がるケースがどうしても出てくるのは、避けられないのではないか?という仮説を、立てました。
△5五角問題を避けようと思うと、どうしてもA図のように、▲2八銀と上がるシーンが出てくると思います。A図から囲える代表的な囲いというと、二枚金ですね。
というわけで、私は今まで、覚悟を決めて相振りでは二枚金で頑張ってきました。そして今更にして分かってきたのですが、残念ながら、二枚金も美濃囲い同様角・桂コンボが痛いのです。
【B図は二枚金に対する角・桂コンボ】
(後手はとっても適当です)
二枚金の場合、角・桂コンボが決まれば確実に王手・金取りになります。加えて、飛車交換から一段飛車を打ち込まれていた日には、即死です。平美濃や二枚金のように、低くぴったりと構える囲いだと、どうしても勝負所で飛車取り・角桂コンボの二択攻撃を掛けられがちで、初級者にとってはきついところです。というわけで、二枚金よりもっと固い囲いに手を出したくなりました。
かといって、▲2八銀から穴熊に行くのは難しいですし、▲2八銀から自然に移行出来そうな固い囲いというと・・・矢倉ですね。
というわけで、実際に指しこなせるかはさておき、少し矢倉にチャレンジしてみようというのが、本企画の趣旨になります。
矢倉の問題点
「矢倉唯一の弱点は、囲いに手数がかかること」なんて言われますが、それだけではありません。実のところ、何度か矢倉にチャレンジして挫折したことがあるのですが、一番難しいなぁと感じた点が、
受けに回りやすい
ところです。手数がかかるから、というだけではありません。矢倉は、二枚金や平美濃に比べると立体的な囲いなので、確かに角・桂コンボは喰らいません。しかし、立体的、つまり金銀の位置が高い分、歩越しに桂に当たりやすくなります。つまり、争点が出来ます。故に、矢倉崩しを狙われやすくなります。
「矢倉に組めれば作戦勝ち」と言われる割に、組むまでに手数がかかるだけならまだしも、組んでからも受け身に回る。そんな初級者泣かせのトリックスター、それが矢倉です(おい)。
矢倉を指しこなすために
しかしもちろん、矢倉は手がかかるだけの厄介者では、ないはずです。「矢倉は受け身にはなるものの、矢倉崩しに正確に対応出来れば、有力な作戦」とは、「相振り飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋21)」における藤井先生のお言葉。特に、浮き飛車(三間飛車〜飛車先の歩交換〜△3四飛)に対しては無類の強さを発揮するとのこと。
ここから推し量るに、矢倉を指しこなすためには、まずは矢倉崩し対策を身につける必要があると、考えました。「端攻めを制するものは相振りを制する?目指せ!端攻めマスター」が、攻めの相振り力強化企画とすれば、さしずめ本企画は守りの相振り力強化企画とでも申しましょうか。
というわけで、最近この形式ばかりで恐縮ですが、本企画では、代表的な矢倉崩しとその受け方を、次の一手形式でコレクションしてみたいと、思います。
相振り矢倉のポイント
これだけではなんですので、コレクション一覧に移る前に、私なりに理解した相振り矢倉に組む上でのポイントについて、ご紹介させていただきたいと思います。
有力な矢倉崩しの陣形は、四間飛車(!)に構えてから、飛角銀桂の利きを4筋に集中させるものになります。他方、矢倉側にはポイントが二つありまして、一つ目が
▲2六歩を突く
です。これを突いとかないと、△2五桂と桂馬が跳ねて3七の銀にあたり、面倒臭いです。そして二つ目のポイントが、
入玉を急がない
です。5七の地点に対する玉の利きが意外な「厚み」になっていて、▲6六角などでフォローする前に入玉を急ぐと、痛いことになります。さりげなく3三の桂と2四(または、1三)の角が5七に飛んでくるので、5七の地点に2枚以上の利きを用意しとかないと、そこから崩されることが多いみたいです。
以上のポイントを踏まえまして、これから矢倉崩し対策を学んでみたいと思います。
コレクション一覧
- 第一倉 まずはvs浮き飛車
参考書籍
- 作者: 藤井猛
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 単行本
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