何をすべき?改めて考えてみる四間飛車の中盤・考察編
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あなたは、四間飛車の中盤をどう指せばいいか、悩んだことはありませんか?何をどう勉強すべきなのか、悩んだことはありませんでしょうか。
以前のエントリーでは、数の攻めを中心に、このテーマを考えてみました。本エントリーでは、再びこのテーマを、別の角度から考えてみたいと思います。
よろしくお願いいたします。
はじめに
そもそも四間飛車の中盤は、何が難しいのでしょうか。何故、美濃囲いに囲った途端、その後何をすれば良いか分からなくなる印象があるのでしょうか。
最近私は、こちらのエントリーなどで、「自分のペースで指せる」ことに四間飛車の魅力を感じると、紹介させていただきました。
北斗と南斗はメリットとデメリットは表裏一体なんてよく申しますが、実はここにこそ、この問題の一端が潜んでいるのではないかと、この度仮説を立ててみました。どういうことかと申しますと、
私が自分のペースで指している間、相手は一体、何をしているのでしょう?
そう、当然ながら、
相手も自分のペースで指している
のです。この事実(仮)をキーポイントに、今回は四間飛車の中盤について、考えてみたいと思います。
居飛車のメリットとは何なのか
対抗形における、居飛車のメリットは、なんでしょうか?藤井先生は、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」の中で、
- 船囲いは、美濃囲いより防御力が低い。
- 居飛車の玉は、角の利きから逃れ切れていない。
と、居飛車側のデメリット(四間飛車側のメリット)を挙げられています。メリットについては明言されていませんが、何もメリットがなければ、指したいと思う人もいないはず。この度私が、素人の浅知恵を絞って考えてみますに、自分が居飛車側を「羨ましい」と思う点(つまり、ここが居飛車側のメリットではないかと、個人的に思う点)は、以下になりました。
- 手をかければ、四間飛車側より硬い囲いになる(穴熊)。
- 急戦と持久戦の選択権がある。
特にニ番目です。このあたりのエントリーなどで色々試行錯誤してはみましたが、急戦に急戦で返すのは、限界がありそうでした。居飛車側がよほど備えを怠って急戦に来るのでもない限り、急戦は一旦受けた方が、四間飛車側は良くなりそうです。「受けに回ることが素晴らしい攻めになることもある」なんていう、藤井先生の名言もありますしね!
一方、持久戦はどうでしょうか。「穴熊に組ませる前に襲いかかる」作戦はいくつかあるかと思いますが、それでもこれほど穴熊が猛威を振るっていることを考えると、「持久戦で行こう」と思っている相手を諦めさせ、急戦で来させるのも、難しそうです。
というわけで、「四間飛車側が自分のペースで指している間、居飛車側は、急戦・持久戦好きな方を選択できる。これが、居飛車側のメリットである。」という仮説を、立ててみました。
美濃囲いに囲った後に起きること
- 四間飛車側が自分のペースで指している間、居飛車側は、急戦・持久戦好きな方を選択できる。
つまりは、どうなるのでしょう?「美濃囲いに囲った後に何をすべきかは、相手の選択内容による」ことになります。急戦かもしれませんし、持久戦かもしれません。四間飛車+美濃囲いに囲うまでは、自分が「やろう」と思えばいつでも出来る戦法であり、それが四間飛車のメリットでもありますが、そこから先の選択権が、ないのです。
これが、「四間飛車は、美濃囲いに囲った後、何をすれば良いのか分からなくなる」原因ではないかと、この度私は考えてみました。何をすべきかは相手次第、「とりあえずこれやっとけ」というものは、ないのです。「船囲いに囲ったらとりあえず棒銀に行っとけ」とか、そういう世界では、ないのです。
ではどうすべきなのか
最近私も学びましたが、実は持久戦には、「とりあえずこれやっとけ」的なものが、あります。ズバリ、「6六銀型四間飛車」で、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」にて曰く、
- 持久戦全般で、非常に幅広く応用出来る指し方
とのことです。「相手の玉形は色々あっても、四間飛車側の攻めは似たようなことをする」傾向にあり、
- 角道が閉じたらすかさず、▲6五歩を突いて▲6六銀型に構える。
- △7四歩と突かれたら、反撃に注意する(銀が6六に行って角頭のガードがなくなっているので)。
あたりを意識しておけば、とりあえず「何をやっていいか分からない」ことには、ならないのではないかと思います。だからと言って、無双出来るわけではありませんが。
問題は急戦の方で、これは真面目に受け方・定跡を覚えるしかないような・・・気がします。インターネット等で検索していると、「アマチュアの四間飛車党はむしろ、持久戦よりも急戦に苦手意識を持っている」なんて記事を見ますが、同根の問題のような気がします。
あくまでも個人的な体感ですが、
- 棒銀
- 引き角
- 右四間飛車
このあたりは遭遇率が高く、重点的に受け方を覚えた方が良いような気が、します。
おわりに
いかがだったでしょうか。まとめると、私の仮説は、以下です。
- 四間飛車で、美濃囲いに囲った後急に何をすべきか分からなくなるのは、その後の展開の選択権が、相手にあるから。
- でも、持久戦の場合は、とりあえず▲6六銀型を目指せばいいので、比較的分かりやすい(勝てるかどうかは別ですが)。
- 急戦は、最低限棒銀・引き角・右四間飛車あたりの受け方は覚える必要があり、結構大変。
この仮説にもとづき、次回以降のエントリーでは、以下をご紹介させていただきたいと思います。お楽しみに!
- 【急戦編】個人的にお勧めする、効率的な(?)定跡の覚え方
- 【持久戦編】vs穴熊に見る、6六銀型四間飛車の基本的な駒組みと攻め筋
というわけで、本エントリーの内容はここまでになります。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。