勝てる!穴熊vs天帝直伝四間飛車【実戦紹介】・熊崩編
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四間飛車vs穴熊を扱った実戦紹介もいよいよ今回で最終回。今回はいよいよ、穴熊を崩して詰め切るところまでを紹介させていただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
はじめに
前回のエントリーでは上記のように、穴熊に対して6六銀型四間飛車から虎視眈眈と仕掛けるチャンスを狙い、ついに▲6一飛成と飛車を成り込むことに成功したところまでをご紹介させていただきました。
今回のエントリーでは、第1図から最後までをご紹介させていただく予定です。
穴熊の暴力?
前回のエントリーの最後でも軽く触れましたが、△5五歩を使って攻めてくるのは常套手段だと思います。▲同金と取ると攻めが加速してしまうので、ここは引きます。銀冠まで行かずに高美濃のまま攻めた場合も、同様です。
何処から手をつけるか悩みましたが、とりあえず▲7一角で両取りかけてみました。△5ニ飛と行かれても▲5四歩と打てば攻めは続くかなと思ったからなんですが・・・
それを察してか、お相手の方はあっさり金を諦めました。おかげでここからしばらく猛攻を受けます。
いわゆる「ポンポン桂」とでも言えばいいのでしょうか。△5七桂成とされるとちょっと厄介そうなので、歩で受けました。
一瞬、角が龍に当たっているかとドキッとしましたが、当たっていませんでした。キリが無い気がしてきたので、ちょっと歩で仕掛けてみたのですが*1・・・
強襲してきました!
上級者が堂々と大駒ギリをしてくると、「何か狙いがあるのではないか」ともうどっきどきです。
この金も取ると大変なことになりそうなので避けます。
てっきり△5七桂成▲同歩△同銀不成あたりかと思いましたが、金を寄せてきました。駒得はしましたが、囲いは全壊気味です。
飛車先の歩を伸ばしてきましたが、取ると飛車が突っ込んでくるので、無視して歩成を決めときます。
飛車当たりを無視して王手に来ましたが、ここは銀で取る1手です。さすが、上部に強い銀冠(違)。
【第11図】
第10図からの指し手:△4五桂▲2六玉△9ニ飛
手番が回って来ました!
王手のネタが切れ、ついにお相手の方は飛車を逃しました。まだまだピンピンしているように見える穴熊、加えて2段目に飛車の横利きが通っている状態ですが、実は次の一手が、個人的には割と会心の手です。
穴熊を崩す
最初は▲3ニ金で行くか銀で行くか悩みましたが、思いつきました。
▲3ニ歩
です。横に逃げれば龍の餌食ですし、縦に逃げればと金の餌食です。金駒を渡すと味方玉がちょっと心もとないので、この金歩交換を思いついたのは自分としてはかなり会心でした。
参考までに、第6図同様、「安い駒でジリジリ攻める」という、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」で紹介されていたテクニックの応用のつもりです。
【第13図】
第12図からの指し手:△3ニ同金▲同と金△同飛▲4三馬
飛車でと金を払ったお相手に、馬をぶつけます。ここまでくればもう時間の問題ですが、ギリギリまで粘ろうと思えば、△3一飛とか△3一歩とかが多少はやらしい手な気がします。
お相手の方が飛車を逃したので、▲2一龍で詰みました。
おわりに
いかがだったでしょうか。結果として最後は大差がついてしまいましたが、途中は先に囲いが崩壊し、負けたかなと思っていました。
「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」で紹介されているエッセンスの一つに、「攻めているつもりで攻め合いにしていないか?」というものが、あります。景気良く駒を捨てて攻めているつもりが、気付けば大きく駒損をしており、「指し切り」した瞬間に逆転負けをする。果たしてそれは、攻めていると言えるのだろうか?攻めているつもりで、実は相手に攻められているのでは?
という、意味合いです。実は私は今までこのパターンで負けることが多かったのですが、今回逆のパターンで、勝つことが出来ました。いろんな意味で、私にとって勉強になった一局です。
以上で、本エントリーの内容は終わりになります。最後までを読んでいただいて、ありがとうございました。
*1:安い駒でジリジリと仕掛けるというのも、「四間飛車上達法」のエッセンスです。