四間飛車で中盤攻めるもう一つの側面とは?
スポンサーリンク
あなたはそもそも将棋において「攻める」とはどういうことだと思いますか?本エントリーでは、我らが藤井猛九段の新書「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」を元に、これまでとは違う側面から攻めを考えてみたいと思います。
四間飛車で攻められないあなたへというテーマを扱ったサブエントリーの、第五回目になります。
はじめに
- 将棋の中盤とは、数の攻めに基づき、敵陣突破して成駒を作ることではないか?
と仮説を立ててみました。多分、いわゆる「攻め」のイメージとは、これのことだと思います。「厚みを作る」「押さえ込む」なんて表現されるのも、これの一種なのではないかと思います。
しかし、将棋にはもう一つ、正面から敵陣突破しなくても、いきなり敵陣に持ち駒を放り込む方法がありました。そう、
持ち駒を好きなところに打ち込める
という、将棋特有のルールです。今回はこちらの側面から、四間飛車で中盤攻めるとはどういうことかについて、私なりに整理・紹介させていただきたいと思います。
将棋は守る方が圧倒的に有利?
個人的に、藤井猛九段の藤井理論の根底になっているのかな、と印象を受けているのが、ここです。我ら初心者は、居飛車急戦に攻め潰されるたびに、「やっぱり攻める方が有利かな・・・」なんて、思うのではないかという気がしていますが、先生は逆です。
「攻めは飛角銀桂」なんて言葉がありますが、実は「飛角銀桂しかない」ということを、藤井先生の別々の書籍で2度、見かけました。
どういうことでしょう?将棋の駒は20枚ありますが、
- 玉は別格なので除外
- 「玉の守りは金銀3枚」なので、この駒は守備用として除外
- 玉側の桂も端攻めに対する守備用なので一旦除外
- 香も取り合って駒台に載せないとなかなか使えないので一旦除外
- 歩はそこまで攻撃力のある駒でもないのでこれも一旦除外
とするとあら不思議、確かに攻め用の駒は飛角銀桂しか残りません。初期配置では駒が多い守備側が圧倒的に有利、というのが藤井理論の出発点ではないか、という印象を受けました。
では攻めとはなんなのか?
上記の通り、初期配置では圧倒的に守備側の駒が豊富とすると、数の攻めはなかなか通用しません。守備側の駒が多いと、「数の受け」で受け止められてしまいます。
ただでさえ守備側の駒+1の利きを用意しなければ敵陣突破出来ないのに、元々持っている駒の数も圧倒的な差があります。一方的な駒得なんていうのもそうそう出来る訳ではありません。
一つの方法として、局所的に数的有利を作り出す方法があるかと思います。守備側の利きが弱いところを見定めて、攻め側の利きを一点集中して突破する方法です。素人ながらに、従来これを、「居飛車的」と言っていたのではないか、との印象があります。
では、もう一つの「振り飛車的」な方法とは、一体何なのでしょう?
受けに回ることが攻めになる?
ここで冒頭に戻ります。
- 正面から敵陣突破しなくても、持ち駒であれば、好きなところに打ち込める
即ち、
攻めることの第一歩は、交換して持ち駒を増やすことである
ここからさらに前進させて、
- 居飛車急戦vs四間飛車は、居飛車側が一方的に攻めているように見えて、そうではない。
- 受けに回るとほぼ確実に駒が入る。持ち駒を増やすことは、攻めることである。
というのが、藤井先生の考える、従来の「振り飛車らしい」攻め方ではないか、との印象を受けました。
- 一旦受けに回って確実に持ち駒を増やし、
- 敵陣突破をショートカットして、いきなり急所に持ち駒を打ち込む
といったところでしょうか?
まとめ
なんとなくもしかしてなのですが、
- 一旦受けに回って確実に持ち駒を増やし、
- 敵陣突破をショートカットして、いきなり急所に持ち駒を打ち込む
これこそがいわゆる「さばき」というやつではないだろうか、という気がしてきました。「数の攻め」とは異なるもう一つの攻める方法とは、「さばき」です。多分。
- なるべく等価交換に近い形で駒交換し、
- 隙を見つけて急所に打ち込む
- 急所とはおそらく、詰めろや必死、囲い崩しにつながる一手?
という訳で、本エントリーの内容はここまでになります。「なんだ、じゃあ結局相手が攻めてこないと困るじゃないか」と言われるかもしれませんが、それに関しては次回、「四間飛車上達法 (最強将棋レクチャーブックス)」で見つけたもう一つのワード「仕掛けて自信があるところまで待つ」について、考えてみたいと思います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
目次に戻る場合は、こちら
関連書籍
- 作者: 藤井猛
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2017/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る