初心者が角交換四間飛車でハム将棋に勝つ方法・勝勢編

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あなたは、「攻める四間飛車」こと角交換四間飛車を指しこなしたいと思ったことはありませんか?本エントリーでは、角交換四間飛車で、ハム将棋を相手に勝勢に持っていくテクニックについて、ご紹介させていただきたいと思います。

初心者が角交換四間飛車でハム将棋に勝つ方法というエントリーに対するサブエントリーの、第三回目になります。

これまでのおさらいと今回のポイント

最初のエントリーでは、代表的な初心者用将棋ソフト・ハム将棋を相手取り、角交換四間飛車における角交換〜美濃囲いまでの基本的な駒組みを、ご紹介させていただきました。

前回のエントリーでは、そこから「逆棒銀」という戦法で攻める方法を、ご紹介させていただきました。

前回の結果図から、実際に勝勢に持っていくにあたっての、重要なポイント。それは、ハム将棋相手には

少々駒損をしても、龍を作れれば、だいたい勝てる

という点です。以下をご覧ください。

【参考図は駒組みの完成まで】
http://shogipic.jp/v/GXr.png

第一回目のエントリーの結果図、囲いが完成した時点の局面図ですが、ハム先生は

玉が最下段で、しかも横がガラ空き

になっています。これがハム先生が使う「カニ囲い」(もどき?)の欠点でして、上からの攻めにはそこそこ強いのですが、

横からの攻めに滅法弱い

のです。しかも、「玉は下段に落とせ」なんて格言がありますが、

ご丁寧なことに、最初から下段にいます。

ですので、龍さえ作れれば、後は初心者でもそれなりに勝てます。よって、本エントリーでは、角交換四間飛車ならではの龍の作り方について、ご紹介させていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

第一の方法:強硬作戦

8筋を突破する

【第1図は前回の結果図まで】
http://shogipic.jp/v/Gbn.png

ここまでの手順に関しては、前回のエントリーをご確認ください。

【第2図は▲8四歩まで】
△6四歩▲8四歩
http://shogipic.jp/v/GdA.png

まずは第一の仕込みとして、8四の地点に歩を打って、飛車の縦の移動を封じます。△同銀と来れば▲同銀と取り返せばいいだけなので、ハム先生は動けません。△8三歩と打っても、構わず▲同歩成といけば、結局この第2図に落ち着きます。

【第3図は▲6六角まで】
△5五角▲6六角
http://shogipic.jp/v/GdB.png

困ったハム先生は、△5五角と、強引に飛車を狙いに来るかもしれませんが、落ち着いて▲6六角と受けておきましょう。

【第4図は▲6六同歩まで】
△6六同角▲同歩
http://shogipic.jp/v/GdC.png

再び角交換になるだけで、特に何も起こりません。

【第5図は△4四銀まで】
△4四銀
http://shogipic.jp/v/GdF.png

ハム先生が角の打ち込みを諦めたところで・・・

【第6図は▲7一角まで】
▲7一角
http://shogipic.jp/v/GdH.png

作戦を決行します。

「第一の仕込み」のおかげで、飛車は縦に逃げれません。

【第7図は△7ニ飛まで】
△7ニ飛
http://shogipic.jp/v/GdI.png

角を犠牲にする強硬作戦でしたが・・・

【第8図は▲8三歩成まで】
▲8三歩成
http://shogipic.jp/v/GdJ.png

飛車の利きが消えたため、見事8筋を突破することが出来ました。この▲7一角の使い方が、

角交換四間飛車〜逆棒銀のポイント

になると思います。

龍を作る

【第9図は▲7三と金まで】
△7一飛▲7三と金
http://shogipic.jp/v/GdM.png

当然、角は取られてしまいますが、こちらも邪魔な銀を払っておきます。せっかく作ったと金を一瞬で捨てるのも少しもったいないですが、銀歩交換なら御の字でしょう。

その前に角損してますが、それを取り返すのはこれからです。

【第10図は▲8四銀まで】
△7三桂▲8四銀
http://shogipic.jp/v/GdN.png

飛車でと金を払いに行くと、その後銀で飛車いじめされるのが目に見えているので、桂で払いに行くのは致し方ないところかと思います。

それに対してこちらは、邪魔者がいなくなったところで、銀の進軍を開始します。だいぶ飛車先がスッキリしてきました。

【第11図は△8五歩まで】
http://shogipic.jp/v/GdR.png

慌てて▲同飛と取っではいけません

桂馬で飛車を取られてしまいます。

私は取っちゃいましたけどね!
f:id:chiba_nm4:20171112104104j:plain

・・・失礼いたしました。銀で桂馬を払って龍作りを急ぐ手もあるのですが、もう少しいい手があります。

【第12図は▲7五歩まで】
▲7五歩
http://shogipic.jp/v/GdT.png

ハム先生は歩がぶつかるとだいたい律儀に取ってくれるので楽です。この場合取らなくてもそんなに変わりませんが、取ってくれた方がちょっぴりだけ楽です。

【第12図は▲7四銀まで】
△7五同歩▲7五銀
http://shogipic.jp/v/GdU.png

桂頭の銀、常套手段ですね。こういうとき普通、桂馬のお尻に歩をくっつけて桂馬のタダ取られを防いだりとかすると思うんですが、この場合は2歩になってしまいます。さっき「ちょっぴりだけ楽」と言ったのは、これです。

【第13図は▲7三銀成まで】
△5五銀▲7三銀成
http://shogipic.jp/v/GdX.png

ハム先生の意図は少しよく分かりませんね。△6六銀〜△6七角と、金に当たりをつける作戦でしょうか。それに対してこちらは▲7三銀成と、銀損することなく桂馬を払うことに成功しました。

【第14図は▲8四飛まで】
△7六歩▲8四飛
http://shogipic.jp/v/GdY.png

ハム先生は受けを諦めたようです。8筋は諦めて、7筋や6筋で拠点を築く作戦でしょうか。おかげでこちらは、ようやく飛車の突破が見えて来ました。

【結果図は▲8ニ飛成まで】
△5四歩▲8ニ飛成
http://shogipic.jp/v/GdZ.png

というわけで、見事龍を作ることに成功しました。しかも飛車取りも目前で、ついに序盤の角損を取り返せそうです。

一方、ハム先生はなんだか疑問手のオンパレードですね・・・なんかのときのなんかの逃げ道かもしれませんが、あまり受けにも攻めにもなっていないような。

第ニの方法:穏便作戦

【2018/1/30 修正】*1
ここまでは、せっかく交換した角を犠牲にするという強襲作戦を見て来ましたが、初心者の頃は大駒を犠牲にするのもなかなか勇気がいりますよね。そんな場合に使える手筋が、こちら。

【参考図】
第1図からの指し手:△6四歩▲7五歩△同歩▲7二歩
http://shogipic.jp/v/Ihs.png

7ニの地点に歩を打ちます。歩がタダ取られのようですが、△7ニ飛と取れば、8筋の飛車の利きがなくなるので、銀が進軍できます。

放置すれば、△7一と金と、と金を作られてしまいます。桂馬をいただくのもありですが、△7ニと金と引けば、今度は飛車あたりになり、放置するわけにはいかなくなります。

角を温存しつつ8筋の突破が狙えるのが、魅力です。

おわりに

というわけで、本エントリーでは、角交換四間飛車ならではの方法で8筋を突破する手段について、ご紹介させていただきました。さすがに人間やもう少しレベルが高い将棋ソフト相手にはこうはうまくいきませんが、少なくとも対ハム将棋という点に関しては、角交換四間飛車は有力手な戦法と言えるのではないでしょうか。

玉もしっかり囲われていますし、居玉棒銀よりはいい気がします。

今回の内容はここまでになります。最後まで読んでいただいてありがとうございました。一応、参考までに次回のエントリーでは、ここから最後寄せ切るまでも、ご紹介させていただきたいと思います。

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角交換四間飛車を指しこなす本 (最強将棋21)

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*1:超二歩でした、とってもすみません。お恥ずかしい限りです。